更新日: 2022.07.14 定年・退職

定年後のリスクにはどんなものがある? 老後破産に備えてやっておくべきことは?

定年後のリスクにはどんなものがある? 老後破産に備えてやっておくべきことは?
定年後にどのようなリスクがあるのかご存じでしょうか。定年後のリスクを把握し、早くから備えておくことは、定年後の生活を充実させることにつながります。何も備えていなければ、定年後の生活に満足できない可能性があります。
 
また、老後破産のリスクもあるでしょう。そこで本記事では、定年後のリスクや老後破産にならないよう、備えとしてやっておくべきことについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年後のリスク


定年後のリスクには、健康・お金・孤独の3つではないでしょうか。どのリスクも、定年後の生活に与える影響が大きいものばかりです。
 
定年後にどのようなリスクがあるのかを知っておくことで、事前に備えられます。そこでリスクを軽減できれば、その分定年後の生活が充実する可能性があります。ここでは、定年後の3つのリスクについて見ていきましょう。
 

健康のリスク

定年後は、より一層、健康に気をつけなくてはいけません。高齢になるほど体力や免疫力が低下するため、病気やけがをしやすくなり、治療にも時間がかかります。もし重い病気やけがを負ってしまうと、寝たきりなどで行動が制限され、思うような老後生活を送れません。
 
そこで、老後を迎える前から体力づくりや生活習慣の改善、定期的な健診や人間ドックの受診などをしておくとリスクを軽減できます。
 

お金のリスク

65歳で定年退職となり仕事をしない場合は、年金とそれまでの貯蓄、資産で生活をしなくてはいけません。人生100年時代とすると、定年後の生活は約35年あります。
 
十分な貯蓄や安定した不労所得などがある場合はよいですが、そうでない場合は老後生活が困窮する可能性もあります。
 
そこで、資産運用や私的年金など、早くから老後資金づくりに取り組み、長い定年後の生活に備えておくことが大切です。老後の資金がないのに何も対策を講じていないと、老後破産することもあるため注意してください。
 

孤独のリスク

定年退職をすると、職場で築いた人間関係はなくなることが多いです。健康診断や介護保険、年金など、健康やお金に関して支援する社会制度はありますが、孤独を支援する社会制度はほとんどありません。
 
趣味や友人との交流、近所付き合いなどがあればよいですが、ない場合は孤独を感じながら生活していくことになるでしょう。そこで、定年退職後に没頭できる趣味づくりや、いろいろなコミュニティーに参加しておくと、孤独の寂しさを緩和することができます。
 

老後破産に備えてやっておくべきこと


定年後に、収入以上の支出が続いて生活が困難となる老後破産に備えておくことは大切です。老後破産になると、満足のいく生活が難しくなるためです。そこで、貯蓄や収入源をつくるなど、早いうちから準備をしておけば、老後破産のリスクを軽減できます。
 
また、定年後の生活に余裕が生まれ、より充実したものとなるでしょう。ここでは、老後破産に備えてやるべきことを紹介します。
 

十分な貯蓄をつくっておく

老後破産をしないために、現役時代に十分な貯蓄をつくっておきましょう。貯蓄があれば、毎月の収支状況が赤字であってもやりくりしていくことが可能です。
 
「老後2000万円問題」が話題になりましたが、モデルケースは総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)」の高齢夫婦無職世帯の平均収支で、毎月約5万4000円の赤字となっており「5万4000円×30年=約2000万円不足」と試算されています。
 
しかし、「家計調査報告(家計収支編)」で、2020年は高齢夫婦無職世帯の毎月収支は1111円の黒字で、2021年は1万8525円の赤字となっています。
 
老後資産について大切なのは、モデルケースで考えることではなく、自分の定年後生活をシミュレーションして貯蓄計画を立てることです。年金収入や支出を想定し、いくら貯蓄があれば大丈夫か試算して、現役時代のうちに十分な貯蓄をつくっておきましょう。
 

年金以外の収入源をつくっておく

定年後の生活水準によっては、年金収入だけでは足りない場合があります。そこでもし、不労所得など年金以外の収入源があれば、老後破産を防げる可能性があります。
 
しかし、不労所得はすぐに安定した収入を得られるわけではありませんので、早くから取り組んでおくことが大切です。また、株式投資や不動産投資などの不労所得づくりは、損失リスクもあるため注意してください。
 
不労所得が難しい場合は、再雇用・再就職、パート・アルバイトなどで定年後も働けるよう、準備をしておきましょう。
 

生活費をスリム化して支出を減らしておく

生活費をスリム化して支出を減らしておくのも、老後破産対策として有効です。同じ収入でも支出が減れば、収支状況は改善されます。
 
外食の回数を減らす、洋服の購入頻度を少なくする、携帯を格安SIMにする、保険を見直すなどして支出を減らしましょう。固定費の見直しができれば、支出削減の効果は大きいです。
 
定年後は定年前より収入が減る家庭が大半です。老後破産を避けるためにも、生活費をスリム化しておきましょう。
 

定年後は健康やお金に注意。老後破産を回避するための準備が大切


定年後は、健康・お金・孤独のリスクがあり、それぞれ早いうちから対策を講じておくことが大切です。いずれのリスクも生活に与える影響は大きいです。
 
もし老後破産をすると、満足のいく定年後の生活が難しくなります。貯蓄や年金以外の収入源づくり、生活のスリム化をして老後破産を回避しましょう。早速、これらを参考に、それぞれのリスクに対する準備を始めてみてください。
 

出典

金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2017年 Ⅱ 世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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