更新日: 2022.07.20 老後

個人事業主が「退職金」をもらう方法とは?「小規模企業共済等掛金控除」の種類やメリットを解説!

個人事業主が「退職金」をもらう方法とは?「小規模企業共済等掛金控除」の種類やメリットを解説!
個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の収益と費用から、所得(儲け)を計算し、支払うべき所得税の額を確定させ、実際に納税しなくてはいけません。これらの手続きを確定申告といいます。
 
そして、確定申告の際に自分が利用できる所得控除を使うことで、結果として所得税や住民税が安くなるので、忘れないようにしましょう。
 
個人事業主だからこそ利用できる所得控除の1つが、「小規模企業共済等掛金控除」です。また、その中でも個人事業主の退職金制度ともいわれるのが、「小規模企業共済」です。
 
具体的にどのようなものなのか、詳しく解説していきましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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小規模企業共済等掛金控除の概要

小規模企業共済等掛金控除とは、納税者が小規模企業共済などに掛け金を支払った場合に、支払った金額が所得から控除できる制度です。次の3つに対し、拠出した掛け金が控除の対象になります。

小規模企業共済

企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)

心身障害者扶養共済制度

 

小規模企業共済

小規模企業共済とは、経営者や個人事業主が毎月積み立てていくことで利用できる、退職金制度のことを指しています。
 
経営者や個人事業主は引退したり、事業を畳んだりしても、退職金がもらえるわけではありません。そこで、引退したり事業を畳んだりした際に、十分な資金を確保するための手段として活用される制度です。
 
小規模企業共済の掛け金月額は1000円から7万円までの範囲内(500円範囲)で、自由に選択可能です。そのため、年間最大84万円まで所得控除の対象となるので、節税対策としても有効活用できます。
 

企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)

企業型確定拠出年金は、事業主が掛け金を拠出し、運用結果によって給付金額が決定される年金制度のことを指しています。
 
個人型確定拠出年金は、個人が加入して本人が掛け金を拠出する年金制度です。
 
【図表1】

企業型DC 個人型DC(iDeCo)
加入対象者 最大70歳までの厚生年金被保険者
制度導入企業の従業員
20歳以上65歳まで
拠出限度額 月額最大5万5000円
※規約により異なる
月額最大6万8000円
※被保険者種別により異なる
運用商品の種類 企業が定めた運営管理期間の商品ラインナップから選択する iDeCoに加入した金融機関等の商品ラインナップから選択する
運営管理費用 企業が負担 個人が負担

出典:厚生労働省の情報をもとに筆者作成
 
どちらの確定拠出年金も、全額控除対象となっているため、節税対策として有効に利用できます。掛け金を拠出して積み立てたお金は、一定の年齢に達した際に年金として受け取れるので、老後の資金として有効活用できるでしょう。
 

心身障害者扶養共済制度

心身障害者扶養共済制度とは、障害がある人の扶養者が加入できる制度のことです。
 
掛け金を支払えば、扶養者が死亡したときや重度障害に陥った場合に、障害のある人に一定額の年金が支払われる仕組みと考えましょう。
 
心身障害者扶養共済制度で支払った掛け金は、所得控除の対象になります。支払った証明書は確定申告の際に必要となるため、捨てずに保管しておきましょう。
 

小規模企業共済を利用するメリット

小規模企業共済等掛金控除の対象となっている小規模企業共済は、節税対策として利用するのにおすすめです。
 
実際に利用する上でのメリットとしては、下記のような内容が考えられます。

掛け金は1000円から7万円の範囲内で増減可能

共済金の受け取りは一括か分割で選択できる

退職金の代わりとして利用できる

 
具体的な内容について解説していくので、参考にしてみてください。
 

掛け金は1000円から7万円の範囲内で増減可能

小規模企業共済の掛け金は、1000円から7万円の範囲で増減できます。1000円以上であれば、500円単位で自由に金額設定ができるので、月によって掛け金の額を変更することも可能です。
 
ビジネスが常にうまくいくとは限りません。想定通りの利益が上がらなかったときには、「掛け止め」として一時的に支払いをやめるという手段も取れるのも、自営業やフリーランスの人にとっては魅力的でしょう。
 

共済金の受け取りは一括か分割で選択できる

小規模企業共済の共済金は、会社を退職したときや事業を廃業したときに受け取れます。そのときに一括で受け取るのか、分割で受け取るのか選択可能です。
 
一括で共済金を受け取った際には「退職所得」として計上され、分割で受け取った際には「雑所得」扱いになります。どちらも受け取った際には所得として扱われ、税金を払う必要が出てくるため注意しましょう。
 

退職金の代わりとして利用できる

小規模企業共済は退職金の代わりになるため、個人事業主におすすめの制度といえます。6ヶ月以上の積み立てであれば、廃業したときに共済金を受け取ることが可能です。また12ヶ月以上の積み立てであれば、解約手当金が受け取れます。
 
ただ、共済金を受け取る際には、個人事業の廃業届や印鑑登録証明書、マイナンバー確認書類などが必要なため、事前に用意しておきましょう。
 

小規模企業共済等掛金控除を利用して税負担を軽減しよう

小規模企業共済等掛金控除を利用すれば、所得税などが軽減できます。また、特に個人事業主の人は、会社員のように会社から退職金を受け取るといったことがないため、老後のことを考えると小規模企業共済に加入した方がよいでしょう。
 
今の自分の生活が苦しくならない程度に掛け金を設定して、確定申告の際には所得控除として税負担を軽くする手段として有効活用してみてください。
 

出典

国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除
厚生労働省 確定拠出年金制度の概要
独立行政法人中小企業基盤整備機構 小規模企業共済
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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