更新日: 2022.07.20 セカンドライフ
退職金の平均ってどれくらい? 老後のために退職金をうまく活用する方法
この記事では、民間企業における退職金の平均と、退職金の上手な活用方法を解説します。老後の計画を立てている方は、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金の平均はどれくらい?
民間企業における退職金の平均額は、人事院が発表している「平成28年度民間企業退職給付調査」で把握できます。
調査の対象は、平成28年10月1日時点で常勤従業員数が50名以上の企業です。ただし、政府系機関、地方公共団体、企業組合などは除きます。
さて、民間企業は、どれくらいの退職金を支給しているのでしょうか。
定年退職で支給される退職一時金
全企業規模を対象とした場合、定年退職で支給される退職一時金は、勤続年数20年で417万円、勤続年数30年で600万3000円、勤続年数40年で976万3000円となっています。
参考に、企業規模別の退職一時金を紹介します。
勤続年数20年……324万9000円
勤続年数30年……624万1000円
勤続年数40年……980万4000円
勤続年数20年……332万5000円
勤続年数30年……656万円
勤続年数40年……815万3000円
勤続年数20年……477万3000円
勤続年数30年……558万6000円
勤続年数40年……1022万9000円
勤続年数20年……335万5000円
勤続年数30年……635万9000円
勤続年数40年……1189万2000円
単純に、企業規模が大きいほど退職一時金が多いとはいえないことが分かります。
定年退職で支給される退職給付額
同じく「平成28年度民間企業退職給付調査」によると、これまでみてきた退職一時金に企業年金現価額を加算した「退職給付額」の平均は、勤続年数20年で661万8000円、勤続年数30年で1362万3000円、勤続年数40年で2376万4000円となっています。
企業年金現価額は、事業主拠出分を集計した金額です。参考に、企業規模別の退職金給付額を紹介します。
勤続年数20年……933万8000円
勤続年数30年……1772万4000円
勤続年数40年……2615万3000円
勤続年数20年……733万5000円
勤続年数30年……1481万5000円
勤続年数40年……1919万2000円
勤続年数20年……609万円
勤続年数30年……1113万8000円
勤続年数40年……1698万1000円
勤続年数20年……484万6000円
勤続年数30年……808万2000円
勤続年数40年……1646万6000円
退職給付額は、退職一時金と異なり企業規模と比例している傾向がみてとれます。
老後の生活を安定させる退職金の活用方法
基本的な退職金の活用方法として、以下のものが挙げられます。
退職者用定期預金
通常の定期預金よりも、金利を高く設定した退職者向け定期預金です。ただし、退職金の支給から一定期間内に預け入れなければならない、一定金額以上預け入れなければならないなどの条件が設定されています(具体的な条件は金融機関で異なります)。
また、全ての金融機関が扱っているわけでもありません。
個人向け国債
国が個人を対象に発行している債券です。主な魅力は、実勢金利が変動しても元本割れしないことと、年率0.05%の最低金利を保証していることといえるでしょう。できるだけリスクを抑えたい方に向いている退職金の活用方法です。
投資信託
複数の投資家から資金を集めて基金をつくり、これを運用のプロが株式や不動産などに分散投資する金融商品です。詳しい知識がない方でも始めやすい点が魅力といえるでしょう。
ただし、元本保証はありません。退職金を活用する場合は、リスクを適切にコントロールすることが重要です。
退職金は計画的に運用しましょう
退職金の支給額は、勤務先や勤続年数で異なります。民間企業における退職一時金の平均は976万3000円、退職給付額の平均は2376万4000円です(ともに勤続年数40年)。
退職後は公的年金が主な収入源になるため、退職金を上手に活用することが重要になります。主な活用方法として、退職者用定期預金・個人向け国債・投資信託などがあげられます。
活用方法によりリスクとリターンは異なるため、老後の計画に合わせて選択しましょう。どれを選ぶべきか迷う場合は、FPに相談してみてもよいでしょう。
出典
人事院 平成28年度民間企業退職給付調査 統計表 3 退職一時金・企業年金の支給状況
民間企業の勤務条件制度等調査
財務省 個人向け国債ってどんなもの?
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部