更新日: 2022.08.03 介護
健康保険で徴収される「介護保険」、カバーできる範囲は?
本記事では、介護保険制度の内容と受給できる要件を解説します。
執筆者:丸山希(まるやま のぞみ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
健康保険で徴収される介護保険とは
「介護保険」とは、老化に起因する病に備える保険であり、老後に介護が必要となった場合に受給できる制度です。
65歳以上を第1号被保険者とし、保険料は原則、年金から天引きされます。40歳以上64歳を第2号被保険者とし、保険料は健康保険と一体化して徴収されます。つまり、被保険者の人が介護保険は満40歳になると徴収が始まります。
なお、会社勤めの人を対象とした健康保険加入者は、保険料の2分の1を事業主が負担します。保険料は、加入する組合や住んでいる地域によって変わってきます。
また、制度利用時の患者負担は1~3割であるため、介護サービスを利用しやすいでしょう。
65歳以上の人が受給できる要件
65歳以上の第1号保険者が介護保険を受給できる要件は「要介護状態」または「要支援状態」です。具体的な状態を図表1にまとめました。
図表1
要支援1が最も程度が軽く、最も程度が重たいのが「要介護5」です。度合いが重たくなるにつれて支給限度基準額が増えていきます。
分類される介護度によって、利用できるサービスが異なりますが、訪問介護やデイサービスなどの施設が利用可能です。利用にあたっては、主治医の意見書が必要となることがあるほか、コンピューターによる一次判定、介護認定審査会による二次判定を通過しなければいけません。
40歳以上65歳未満の人が受給できる要件
40歳以上65歳未満の第2号保険者が介護保険を受給するためには、老化を起因とする特定疾病により、要介護(要支援)状態が必要となった場合に限定されます。
●がん(医師が回復の見込みがないと判断したもの限る)
●関節リウマチ
●初老期における認知症
●骨折を伴う骨粗しょう症
40歳以上65歳未満の第2号保険者がサービスを利用するためには、特定疾病を原因とする要介護・要支援状態であることの証明が必要です。
公的介護保険を把握して老後に備えよう
40歳になると、介護保険料を毎月の健康保険と合わせて支払うことになります。保険料が経済的負担にはなりますが、介護が必要になったタイミングで、自身に合ったサービスを自己負担1〜3割で受けることができる社会保障です。公的保険で介護施設や訪問介護を利用できるため、一度、民間の介護保険を見直すこともおすすめです。
出典
厚生労働省 介護保険制度について
独立行政法人福祉医療機構 よくあるご質問
厚生労働省 よくあるお問い合わせ(事業主の方へ)
厚生労働省 要介護認定に係る法令
執筆者:丸山希
2級ファイナンシャルプランニング技能士