更新日: 2022.08.12 定年・退職
定年後に再雇用された場合の給料の相場は? 年金についてはどうなる?
老後の生活のことを考えると、おおよその給料額や年金について、あらかじめしっかり把握しておきたいものですよね。
そこで今回は、定年後に再雇用された場合の給料の相場と国民年金や厚生年金のことについて詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後に再雇用された場合、給料はいくらくらいになる?
厚生労働省が2021(令和3)年に行った調査によると、一般労働者の場合、平均年収がピークになるのは男性は55~59歳で平均年収は約413万6000円、女性は50~54歳で平均年収は約273万3000円です。
しかし、60~64歳になると、平均年収は男性が約318万1000円、女性が約234万4000円となります。もしも60歳で定年退職して再雇用された場合、男性は年収が約100万円、女性は約40万円下がると思っておいた方がよいでしょう。
なお、65~69歳になると、男性の平均年収は約274万8000円、女性の平均年収は約222万2000円になります。
産業別でみた、60~64歳の平均年収比較
産業別にみた場合、60~64歳で平均年収が最も高いのは、「教育・学習支援業」で男性が約469万7000円、女性が約405万2000円。その次に高いのは、学術研究・専門技術サービス業で男性は約414万9000円、女性は約304万8000円です。
逆に、60~64歳で最も平均年収が低い産業は、男性は複合サービス業で約244万9000円、女性は製造業で約190万5000円となっています。
定年後に再雇用された場合、年金はどうなる?
国民年金の加入期間は、定年後に再雇用されようとされまいと480ヶ月です。そのため、60歳で加入期間が480ヶ月になる人は、定年後に再雇用されても国民年金の受給額は変わりません。
ただし、60歳までに何らかの理由で年金保険料を納めていなかった期間がある人は、加入期間が480ヶ月になるまで、任意で60歳以降も国民年金に加入し続けることができます。
一方、厚生年金は70歳まで加入することができます。そのため、定年後に再雇用された場合、引き続き厚生年金に加入することになります。
雇用する事業主が、厚生年金の被保険者資格喪失届と被保険者資格取得届を同時に年金事務所に提出してくれるでしょう。そうすることで、再雇用された月から、再雇用後の給料に応じた厚生年金保険料になります。
定年後も再雇用されて厚生年金に引き続き加入すれば、当然受給額も増えます。
厚生年金のおおよその受給額は「平均報酬額×5.481÷1000×加入月数」です。仮に60~65歳まで、男性の平均年収額である318万1000円で働いたとすると、平均標準報酬額は26万円になるため、「26万円×5.481÷1000×60」で厚生年金保険料は年間約8万5000円です。つまり、1ヶ月あたり7200円程度が厚生年金の受給額に加算されることになります。
定年後の再雇用で年収がどの程度減るかは確認しておこう
60~64歳の平均年収をみると、性別や産業によって格差はあるものの、おおむね200万~300万円程度の年収になることが予想されます。
そのことを想定したうえで、老後の資金計画を立てるようにしましょう。また、定年後に再雇用されることで引き続き厚生年金に加入できます。その場合、再雇用後の給料額に応じて65歳以降の厚生年金受給額が増加します。
いくら受給額が増えそうなのかも、あらかじめ計算しておくとよいでしょう。
出典
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況
日本年金機構 60歳以上の厚生年金の被保険者が退職し、継続して再雇用される場合、どのような手続きが必要ですか。
日本年金機構 報酬比例部分
日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部