更新日: 2022.11.07 定年・退職

定年後の再雇用と再就職。給料は現役時代とどのくらい違う? 再雇用されやすい仕事と再就職しやすい仕事は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年後の再雇用と再就職。給料は現役時代とどのくらい違う? 再雇用されやすい仕事と再就職しやすい仕事は?
定年後も再雇用や再就職といった形で働き続けたい、と考えている人も多いでしょう。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2015年に行った「中高年齢者の転職・再就職調査」(調査対象・人数:45~74 歳までの男女6000人)によると、60~64歳の人のおよそ半数が、定年後も何らかの仕事をしているようです。
 
しかし、定年後も現役時代と同じような働き方ができるわけではありません。そこで今回は、定年後の給料は現役時代と比べるとどうなるのか、定年後の仕事にはどのようなものが多いのか、詳しく解説します。
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定年後は現役時代よりも給料額が下がる可能性が高い

厚生労働省が2021年7月に行った賃金構造基本統計調査によると、2021年6月分の所定内給与額の平均からみた、 月収のピークとなるのは、男性が55~59歳で約41万3600円、女性が50~54歳で約27万7900円となっています。
 
しかし、60~64歳になると、男性の平均月収は31万8100円、女性の平均月収は約23万4400円に下がります。男性の場合にはピーク時よりも9万5500円、女性の場合にはピーク時よりも4万3500円減少しているのです。
 
このことから、定年後に再雇用されたり再就職したりしても、現役時代に比べると月収額は減少すると考えておいた方がよいでしょう。
 
とはいうものの、平均月収額は職種によっても異なります。
 
例えば、60~64歳の教育・学習支援業の平均月収は45万1600円(男女計)ですが、複合サービス事業の場合は23万3500円(男女計)です。専門知識を必要とするような職種の場合、定年後も比較的高い月収が期待できるかもしれません。
 
また、月収額は雇用形態によっても異なります。
 
60~64歳の場合、正社員の男性の平均月収は約35万1600円、正社員でない男性の平均月収は27万4700円です。女性の場合、正社員の平均月収は27万2200円、そうでない女性の平均月収は19万7800円になります。
 

再雇用されやすい、再就職しやすい仕事は?

厚生労働省の発表によると、2021年時点で、何らかの高年齢者雇用確保措置を実施している企業の割合は、99.7%です。調査対象となったほぼすべての企業において、労働者が希望すれば何らかの雇用形態で再雇用される状況が整っているといえます。
 
また、このうち80.9%では、希望者全員が65歳以上まで働ける企業となっています。定年後も働き続けたいという人は、今の会社では再雇用してもらえないかもしれない、という心配はあまりしなくてもよさそうです。
 
高年齢者雇用確保措置の内訳を見ると、措置を実施している企業のうち、71.9%は継続雇用制度を導入しています。また、定年引き上げを行っている企業は24.1%、定年廃止を行っている企業は4.0%です。
 
つまり、定年後は正社員ではなく、別の雇用形態になることが大半であるといえます。そのため、再雇用ではなく再就職を選ぶ人も多いようです。
 

60~64歳の就業者は、どんな業種に就いている?

「中高年齢者の転職・再就職調査」によると、60~64歳の就業者のうち、最も割合が多いのは、男性は専門的・技術的な仕事で20.3%です。女性では事務的な仕事の割合が最も多く24.2%となっています。
 
業種別にみると、男性は卸売・小売業と製造業で働いている人がそれぞれ11.6%、建設業で働いている人が11.3%です。女性の場合、医療・福祉業で働いている人が最も多く、全体の19.8%です。
 
男性であれば卸売・小売業や製造業、女性であれば医療・福祉業が、再就職しやすい職種だといえるでしょう。
 

定年後の働き方を前もって考えておこう!

現在正社員として働いている人の場合、雇用形態にこだわらなければ、定年後も現在の会社で働き続けることができる可能性が高いです。ただし、給料は現役時代よりも少なくなるでしょう。
 
再就職する場合、男性であれば卸売・小売業や製造業が、女性であれば医療・福祉業が、再就職しやすい業界だといえそうです。
 
現役時代に専門的な知識や技術を身につけておけば、定年後も待遇や再就職において有利になるといえそうです。
 

出典

独立行政法人労働政策研究・研修機構 中高年齢者の転職・再就職調査(2016年)
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 令和3年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します
 
※2022/11/7 内容を一部修正させていただきました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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