更新日: 2022.08.19 介護
バリアフリーリフォームにかかる費用はどれくらい? 補助金や減税についても解説
バリアフリーリフォームは工事内容によってかかる費用は異なるものの、まとまった支出が必要です。そこで、費用を削減するための手段として、補助金や減税制度に関する理解を深めておきましょう。
当記事では、バリアフリーリフォームにかかる費用相場をはじめ、活用できる補助金・減税制度について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
バリアフリーリフォームにかかる費用相場
バリアフリーリフォームにかかる費用相場は、工事内容によって異なるものの数万~1000万円以上になるケースも珍しくありません。バリアフリーリフォームの一般的な費用相場内訳を図表1にまとめたので参考にしてください。
【図表1】
リフォーム箇所 | 費用相場 | リフォーム内容 |
---|---|---|
トイレ | 20~100万円 | 床材の変更 ドアを引き戸へ変更 間口の拡張 便座を和式から洋式に変更 手すりの設置 |
浴室 | 50~200万円 | 浴槽の交換 折り戸・引き戸への変更 床材の変更 手すりの設置 浴室暖房機を設置 浴室の出入り口の段差解消 |
玄関周辺 | 250万円以上 | 手すりの設置 スロープの設置 段差を解消 廊下の幅を拡張 ドアを引き戸へ変更 |
筆者作成
減税制度でバリアフリーリフォームの費用を軽減できる
バリアフリーリフォームは工事内容や規模によって、数百万円を超える費用がかかる場合があります。そこで、税の優遇措置を有効活用すれば、コストを抑えたバリアフリーリフォームの施工が可能です。
バリアフリーリフォームに適用される減税制度は以下のとおりです。
投資型減税
固定資産税の減税
ローン型減税
以下でそれぞれについて解説します。
投資型減税
投資型減税は、住宅ローンの借り入れがなくても利用できる制度です。対象のリフォームを行った際に所得税の控除を受けられます。控除期間はバリアフリーリフォーム後に居住した年のみ(1年間)で、控除率はリフォームにかかった費用の10%、上限額は200万円と定められています。
なお、住宅ローン減税との併用ができない制度です。すでに住宅ローンの借り入れがある人はリフォーム会社に相談してみてもよいでしょう。ただし、税の専門家ではないので、詳しくない場合もあります。
固定資産税の控除
固定資産税の控除とは、バリアフリーリフォームが完成した翌年度分の固定資産税が減税される制度です。バリアフリーリフォームにかかった費用が50万円以上といった条件はありますが、100平方メートル相当分までの固定資産税を1年間だけ3分の1に減額されます。
ローン型減税
ローン型減税とは、償還期間5年以上の住宅ローンや死亡時一括償還による住宅ローンを利用して、以下のような一定のバリアフリーリフォームを実施した際に所得税の控除を受けられます。
・浴室やトイレの改良
・手すりの取り付け
・段差を解消
・出入り口の戸を改良
・床材を滑りにくい素材へ取り換え
控除期間はバリアフリーリフォーム後、居住開始した年から5年間です。控除対象額は対象のリフォーム費用の2.0%(上限額250万円、工事全体で1000万円まで)または他のリフォーム費用の1.0%です。
バリアフリーリフォームで使える補助金制度
バリアフリーリフォームで使える補助金制度は以下のとおりです。
【介護保険の住宅改修支援制度】
「要介護」「要支援」の認定を受けている人がいる場合、以下のリフォーム費用が補助されます。
・手すりの設置
・段差の解消
・滑り防止、移動の円滑化を目的にした床材変更
・ドアの交換
・トイレの交換
・上記5つに付帯して必要となるリフォーム
20万円を限度にして、費用の9割(18万円を上限)まで支給されます。
注意点として、希望するすべてのリフォームが対象になるわけではありません。ケアマネジャーなどに相談した結果、必要と判断されたリフォームに限られます。また、利用する際に、リフォームの計画や目的を記載した申請書の提出が必要です。
【各地方自治体の補助金制度】
地方自治体ごとに、バリアフリーリフォームが必要なときに利用できる補助金制度を用意しています。補助金の支給条件や申し込み方法は自治体によって異なるため、住所のある自治体の窓口に問い合わせてみてください。
バリアフリーリフォームの補助金や減税制度を有効活用しよう
バリアフリーリフォームの必要性を感じているのであれば、ケアマネジャーなどの専門知識を有する人に相談をして、早めにリフォームすることをおすすめします。
自宅をバリアフリーにして安全にすれば、介護する側の負担軽減をはじめ、同居する高齢者の自立や体力の維持に直結するからです。
リフォームの費用面が心配でなかなか施工に踏み切れない人は、減税制度や補助金制度をチェックして、費用負担を抑えられるように有効活用していきましょう。
出典
江戸川区 江戸川区介護保険 住宅改修費の支給について
大阪市 住宅改修費の支給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー