更新日: 2022.08.30 老後

早期退職は優遇されている? 定年退職との違いやメリットとデメリットを解説

執筆者 : 古田靖昭

早期退職は優遇されている? 定年退職との違いやメリットとデメリットを解説
勤務先の企業が早期退職を募集している場合、定年退職を迎える前に退職するか、そのまま継続して働くかを選ぶことができます。
 
本記事では、「早期退職」とはどのような制度か、定年退職とどう違うのか、そのメリットとデメリットはどのようなものがあるかについて解説します。
 
古田靖昭

執筆者:古田靖昭()

二級ファイナンシャルプランニング技能士

早期退職とは

「早期退職」は、定年退職の年齢を迎える前に自分自身の判断によって退職する場合、支払われる退職金の金額が優遇される制度です。
 
経営が落ち込んでいる場合や、経営改革によって組織を一新させたい場合に、企業が早期退職を募集することがあります。バブル期の大量採用によって従業員の年齢構造が逆ピラミッドになっている企業では、高年齢者雇用安定法が改正されたことで65歳までの雇用確保が義務化されたこともあり、年代構成の偏りを解消するために早期退職を積極的に実施するケースがあります。
 
企業が設ける早期退職制度には、例えば、50歳や55歳などの区切りとなる年齢に達すると早期退職するか、継続して働くかを選択できるといったパターンがあります。
 

早期退職のメリットとデメリット

それでは、実際に継続して働くか退職するかを選択することになった場合、どのように判断すればよいのでしょうか?
 
自分の状況に合った適切な判断を下すためのヒントとして、ここで早期退職のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
 

早期退職のメリット

早期退職のメリットは、「退職金の優遇」です。企業によっては転職活動の支援を受けられるケースもあるため、第2の人生をスタートしたいと考えている場合、早期退職は有効な選択肢といえるでしょう。
 
住宅ローンを退職金で完済し、子どもが成人して子育てに手がかからなくなったというケースでも、早期退職制度を利用することによって、新しい趣味を見つけたり起業したりといった再スタートを切りやすくなるかもしれません。
 

早期退職のデメリット

早期退職のデメリットは、それまで定期的に得ていた収入が途絶えるということです。
 
次の仕事で収入が安定するまでは、受け取った退職金やそれまでに蓄えた貯金を切り崩して生活しなければなりません。早期退職してから無職の状態が長引くと、将来の年金受給額が減少することもあるため、注意が必要です。
 

早期退職でもらえる退職金の平均額

厚生労働省が2018年に取りまとめた調査結果(「就労条件総合調査の概況」)によれば、勤続20年以上でなおかつ45歳以上の早期退職者(大学・大学院卒)の退職金は約2300万円となっています。もし、定年まで働いていれば、受け取れる退職金は約2000万円です。
 
退職金の平均額は、定年時よりも早期退職時の方が平均で300万円近く多いことが分かります。ただし、単純に早期退職の方が得だとは言い切れないことに注意が必要です。
 
早期退職した時の退職時の月額賃金は平均53万6000円なので、仮に55歳で退職した場合、60歳までの5年間働き続けると単純計算で約3200万円受け取れます。その後で退職金2000万円を受け取るなら、早期退職するよりも在職して働き続けた方が、結果的に受け取れる総額は多いといえるのです(実際の金額は勤務先や役職、在籍年数により異なります)。
 
早期退職は、仮に定年退職した時よりも多くの退職金を受け取ることができるとはいえ、その後の定期的な収入が途絶えることを忘れないようにしましょう。次の就職先が決まっていない場合や、起業して事業を軌道に乗せる見通しが立っていない場合には、年金受給前に退職金やそれまでの貯金が底を尽きてしまう危険もあります。
 
早期退職は貯金の規模や退職後の収入の見通しを踏まえ、慎重に検討するようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 平成30年就労条件総合調査の概況
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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