更新日: 2022.08.31 定年・退職
退職金はいくら受け取れる? 勤続年数別・企業規模別に平均金額を紹介!
退職金の金額は企業によってさまざまですが、基本的には勤続年数とともに増加します。また、企業規模が大きいほど、退職金額が多い傾向にあります。
本記事では、退職金額を勤続年数別や企業規模別、退職事由別に解説しています。定年後の働き方や老後生活資金について考える際の参考にしてください。
執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)
社会保険労務士・FP2級
退職金とは
退職金とは、サラリーマンが定年や諸事情によって勤務先を退職するときに支給されるお金です。退職金には、退職時に一括して支給される「退職一時金」と年金形式で支給される「退職年金(または企業年金)」があります。
実際の退職金制度の仕組みは、退職一時金のみ、退職年金のみ、両制度併用、退職金なしなど、個々の企業によって異なります。
勤続年数別の退職金
厚生労働省の調査によって判明した勤続年数別の退職金額(退職一時金と退職年金の合計金額)は図表1の通りです。対象は従業員30名以上の企業、勤続20年以上かつ年齢45歳以上の退職者となっています。
図表1.勤続年数別の退職金額
出典:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査
大学・大学院卒者の退職金の平均金額は、約2000万円です。勤続年数が増えると退職金額も増加し、定年が近くなるほど増加率がアップします。
企業規模別の退職金
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)」によると、企業規模別(従業員の人数別)の退職金の平均金額は図表2の通りです。対象は従業員10名以上300名未満の中小企業、大学・大学院卒者です。
図表2.企業規模別の退職金額
出典:東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)
企業規模が大きくなるほど退職金の平均金額が多くなる傾向が見て取れます。また、従業員30名以上の企業を対象とした厚労省の調査と照らし合わせれば、大企業(大学・大学院卒者)の退職金の平均金額が2000万円超の水準にあることも分かります。
大企業と中小企業では退職金額の水準に差があります。企業規模の小さい会社に勤める人ほど、老後に向けた資産形成をできるだけ早い段階で始める必要があるといえるでしょう。
退職事由別の退職金額
厚生労働省の調査によると、退職事由別の退職金額は図表3の通りとなっています。
図表3.退職事由別の退職金額
出典:総務省統計局 平成30年就労条件総合調査
自己都合退職した場合、退職金の平均金額は定年や会社都合と比べて少なくなります。また、失業保険を受給する場合も、給付日数が短くなるので注意しておきましょう。
退職金額を確認して資金計画に役立てよう
退職金の金額は企業によってさまざまですが、一般的に次の傾向があります。
・勤続年数が長いほど退職金額は多い
・企業規模が大きいほど退職金額は多い
・自己都合退職の場合は退職金額は少ない
退職金をいくらぐらい受け取れるかを事前にしっかり確認して、定年後(または退職後)の働き方や老後生活資金の蓄え方について検討するようにしましょう。
出典
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和2年版)
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級