更新日: 2022.09.06 定年・退職

60歳から給料が減ったら給付金が受けられる? 定年前に知っておきたい制度

60歳から給料が減ったら給付金が受けられる? 定年前に知っておきたい制度
2013年4月1日に施行された「改正高年齢者雇用安定法」によって、労働者が希望する場合に65歳まで継続雇用することが義務化されました。制度の後押しによって60歳以上になっても働き続ける機会が設けられた一方、60代に入って給与が急激に下がり、生活が苦しくなるという懸念もあります。
 
実は給料が減少した高齢労働者に対して、雇用保険から給付金を支給する制度があります。
 
本記事では、この給付金制度の概要や、どのような場合に受け取れるかについて解説します。
東本隼之

執筆者:東本隼之(ひがしもと としゆき)

AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士

金融系ライター・編集者 | SEO記事を中心に200記事以上の執筆・編集を担当 | 得意分野:税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続 など | 難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えるのを得意としている。

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60歳で給料が75%未満になったときに受け取れる給付金


 
雇用保険では、60歳到達後の給与が60歳時点の75%未満になった場合に給付金が受け取れます。この給付金を「高年齢雇用継続基本給付金」といい、60歳以上65歳未満の人が65歳に到達する月まで給付されます。
 
ただし、給付を受けるには5年間の雇用保険加入期間が必要です。なお、加入期間が60歳到達時に5年間に満たない場合であっても、60歳以降も雇用保険に加入し続け、合計加入期間が5年間以上になると給付が受けられます。
 

再就職したときに受けられる給付金も

60歳以上の人が基本手当(失業保険)を受給後、再就職した際の給与が基本手当の賃金日額を30倍した金額の75%未満となった場合にも給付金が受け取れます。この給付金を「高年齢再就職給付金」といい、支給期間は基本手当の残日数によって異なります。
 
ただし、全ての人が受け取れるわけではなく、以下の要件を満たす必要があります。
 

●雇用保険の加入期間が5年以上あること
●基本手当の受給残日数が100日以上あること
●安定した職業に就くことによって被保険者になったこと

 

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給付金額の計算方法

高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金の給付金額は、以下の計算方法で求められます。
 

支給対象月に支払われた賃金額 ÷ 賃金月額 ×100 = 低下率
 
支給対象月に支払われた賃金額:雇用主から支払われた賃金
 
賃金月額:60歳到達前6ヶ月間の平均賃金

 
低下率が61%未満になった場合は「支給対象月に支払われた賃金 × 15%」が支給されます。なお、低下率が61%を超え、75%未満の場合は図表1の速算表で支給率を求め、「支給対象月に支払われた賃金」に支給率を乗じて算出します。
 
図表1
 

 
出典 厚生労働省 「Q&A~高年齢雇用継続給付~ Q8」より引用
 

再就職手当と併給することはできない

雇用保険には、離職者が基本手当の支給日数を残した状態で安定した職業に就いた際に支給される「再就職手当」があります。再就職手当と高年齢再就職給付金は、同一の就職である場合は併給することができず、どちらを受け取るかは離職者自身が選びます。
 
離職者の状況によって受取総額が異なるので、慎重に選びましょう。
 

再雇用で給料が減ったら高年齢雇用継続給付を利用しましょう

平均寿命が延び、高齢化社会となった日本では、60歳以降にどのように収入を維持し続けるかが重要となっています。
 
50代までと同じ仕事をしているにもかかわらず、給料が減り生活が苦しくなってしまうなどの場合には、高年齢雇用継続基本給付金の受給を検討しましょう。また、再就職で収入が低下する場合には再就職手当か高年齢再就職給付金のどちらが自分に合っているかを慎重に判断しましょう。
 

出典

厚生労働省 健康寿命の令和元年値について

厚生労働省 高年齢者雇用の現状等について

独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労働政策研究報告書 No.211

ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付

厚生労働省 高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について

 
執筆者:東本隼之
2級FP技能士

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