更新日: 2022.09.15 定年・退職

「退職金がない会社」はこの15年でどれだけ増えた?資金対策も考えてみよう

「退職金がない会社」はこの15年でどれだけ増えた?資金対策も考えてみよう
「退職金がもらえないかも」と不安に思ったことはないでしょうか。退職金を老後の資金や住宅ローンの返済として見込んでいる人や、退職金を仕事のモチベーションにして日々頑張っている人も多いでしょう。ただ、国内で退職金が出ない会社は増加傾向です。
 
この記事では、この15年で退職金なしの会社がどの程度増えたかを紹介し、退職金なしの会社が増える理由や、退職金がないことへの対策を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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退職金がない会社は15年で6.2ポイント増加


 
退職金がない会社は、この15年で6.2ポイント増加しているのが現状です。厚生労働省では「就労条件総合調査」において、5年ごとに「退職給付(一時金・年金)制度の有無」を公表しています。
 
調査によると、直近調査年の平成30年における退職金制度がある会社の割合は80.5%、退職金がない会社は19.5%です。15年前の平成15年の調査においては、退職金制度ありの割合は86.7%、ない会社の割合は13.3%でした。したがって、退職金がない会社はこの15年で6.2ポイント増えたことになります。
 

退職金がない会社が増加傾向にある理由

退職金のない会社が増加している背景には、会社側における退職金制度の目的が薄れたことが考えられます。社員にさまざまなメリットがある退職金ですが、退職金制度には義務づけられているわけでもなく、目的にも明確な定義はありません。会社それぞれで、制度として設けているものです。会社では雇用確保の目的で退職金制度を設けているケースも少なくありません。
 
日本で古くから定着していた年功序列が薄れ、成果主義に移行したことにより、同じ会社で定年まで働き続けずに転職や独立を目指すケースが増えています。退職金制度が効果的な雇用確保につながらないことも、退職金制度を廃止する会社が増える原因の一つと考えられているのです。
 
ただ、退職金がない会社では、ボーナスや給与に上乗せしているケースもあります。退職金を受け取るには、勤続年数や退職理由などの条件があるのが一般的です。人それぞれですが、退職金を受け取る条件のクリアを目指すより、ボーナスや給与の上乗せのほうが働きやすいという考え方もあります。
 

退職金がない会社で働くときの資金対策

退職金がない場合、老後の生活費や住宅ローンなどの支払いなど、さまざまな不安があるでしょう。ここでは、退職金がない会社での資金対策を紹介します。
 

・働いているうちから貯金しておく

働いているうちから貯金しておけば、退職後の生活の足しにできます。老後にどれくらいの資金が必要かを試算して、計画的に貯金するのがポイントです。
 

・個人年金なども利用する

個人年金保険や確定拠出年金(iDeCo)などを利用する方法もあります。公的年金とは別に年金を受け取れるので、老後の暮らしも安定させられるでしょう。
 

・他の収入源をつくる

会社の給与以外の収入源をつくっておくのも対策です。株や不動産などの投資商品や、副業で稼ぐなどさまざまな方法があります。副業や兼業は、厚生労働省が働き方改革の一環として普及促進を図っている働き方です。ただ、副業などを認めていない会社もあるので注意しましょう。
 

・転職も検討する

より高年収が見込める会社への転職を検討するのも、一つの方法です。また、退職金がある会社や副業が認められる会社へ転職すれば、現状よりも資金対策を進めやすくなります。
 

退職金がない会社は増加傾向! 老後の資金対策は早めに進めよう

退職金がない会社は、年々増加傾向にあります。平成30年の調査では、平成15年調査時よりも6.2ポイント増加しました。退職金がないなら老後の資金対策が必要です。対策としては、貯金や副業、資産運用、個人年金などさまざまな方法が考えられます。自分が進められる方法を考え、できるだけ早い時期から対策して老後の資金にゆとりをもたせましょう。
 

出典

厚生労働省 就労条件総合調査:結果の概要

厚生労働省 平成30年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)制度

厚生労働省 平成15年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)制度

厚生労働省 副業・兼業

厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドライン

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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