更新日: 2022.09.22 介護

高額介護合算療養費制度とは? 内容や支給要件、申請方法などについて解説!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

高額介護合算療養費制度とは? 内容や支給要件、申請方法などについて解説!
誰しも健康な生活を送り続けたいと願うものですが、病気の発症や心身の衰えは誰にでも起こり得るものです。
 
特に高齢になると、病気の治療と介護が同時に必要となるケースも多く、家計に大きな負担がかかることもあるでしょう。
 
そこで、この記事では、医療費と介護費が高額となったときに利用できる「高額介護合算療養費制度」について、分かりやすく解説します。
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そもそも高額介護合算療養費制度とは?

高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険の、1年間における自己負担分の合計が高額になったときに、その負担を軽減できる制度です。
 
自己負担分の合計とは1人あたりの金額ではなく、家計を共にしている世帯内でかかった自己負担額の合計で、世帯内の合計が一定の基準を超えると、超えた金額が医療保険と介護保険から払い戻されます。
 
また、1年間の合計額に合算できるのは、8月1日から翌年7月31日までに負担した金額です。
 

支給を受けるために満たさなければならない条件

高額介護合算療養費制度の支給要件は、大きく2つあります。
 
1つ目は、医療保険の加入者がいる世帯に、介護保険の受給者がいることです。
 
医療保険とは、健康保険や共済といった会社員などが加入する被用者保険、国民健康保険や後期高齢者医療制度を指します。
 
2つ目は、医療保険と介護保険で自己負担した金額の、世帯内における1年間の合計が、制度で定められている上限額を超えていることです。
 
ちなみに、自己負担額の上限は、対象者の年齢や年収などによって変わります。
 
年収が156万円以上370万円未満で、なおかつ年齢が70歳以上の場合、自己負担額の上限は56万円です。同じく年収が156万円以上370万円未満でも、年齢が70歳未満だと60万円が上限となります。
 
また、住民税非課税世帯で年齢が70歳以上の場合、自己負担額の上限は所得に応じて31万円または19万円となり、70歳未満の場合は、上限は34万円となっています。
 
一方、年収が370万円以上の場合は、70歳以上でも70歳未満でも違いはありません。

●年収370万円以上770万円未満……自己負担限度額67万円
●年収770万円以上1160万円未満……自己負担限度額141万円
●年収1160万円以上……自己負担限度額212万円

 

高額介護合算療養費制度を利用したい! どのように申請すればよい?

国民健康保険または後期高齢者医療制度の加入者の場合、高額介護合算療養費制度の対象者には、市区町村や後期高齢者医療広域連合などから案内が届くことが通常です。
 
ただし、対象となる期間内に引っ越しなどで居住地の市区町村が変わったり、医療保険を被用者保険から国民健康保険に変更した場合には、案内が届かないこともあるため注意しましょう。
 
一方、被用者保険に加入している人は、自分で制度の対象者であるかを確認し、加入している医療保険組合に申請します。
 
高額介護合算療養費制度の申請をする場合に、まず行う手続きは「高額介護合算療養費等支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」に必要事項を記入し、自分が住む市区町村など介護保険者に提出することです。
 
申請が通ると、介護保険者から「介護自己負担額証明書」が送られてきます。証明書を受け取ったら、自分が加入する医療保険者に介護自己負担額証明書を添付して申請します。
 
申請が受理されて支給額が決定されると、医療保険者と介護保険者のそれぞれから支給が行われます。
 

医療費や介護費の負担を軽くしてくれる高額介護合算療養費制度を知って、しっかり活用を!

自分や家族が病気やけがをし、さらに介護も必要となったとき、高額介護合算療養費制度は頼れる制度です。
 
高額介護合算療養費制度を利用するためには、自分で申請を行わなければなりません。しかし、通院や入院、介護サービスの利用にはお金がかかります。
 
生活にさまざまなお金がかかる中で、高額な医療費や介護費の負担を少しでも軽くするためにも、高額介護合算療養費制度の対象者であるかを確認し、対象者であれば申請して、しっかり活用しましょう。
 

出典

厚生労働省 高額介護合算療養費制度
厚生労働省 高額医療・高額介護合算療養費制度について
厚生労働省 高額介護合算療養費制度について(平成28年11月18日)
厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて(概要)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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