定年生活を送る60歳以上の貯蓄額と負債額は? 項目別に解説
配信日: 2022.09.26
そこで本記事は、定年を迎えた人の貯蓄や負債を項目に分けて解説します。貯蓄や負債額の相場をイメージするための参考にしてください。
執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)
2級ファイナンシャルプランナー
60歳以上の貯蓄額は2000万円を超える
世帯主の年齢が60歳以上の世帯で保有している貯蓄額は、2000万円を超えています。総務省の家計調査(2022年1~3月期)によると、60歳以上の貯蓄額は下記の通りです。
●60歳から69歳:約2300万円
●70歳以上:約2250万円
項目別に見ると、預貯金が貯蓄全体の65%程度を占めています。生命保険や有価証券が占める割合は、60代と70歳以上で差は見られません。
年齢別で見ると、貯蓄額は60代の約2300万円がピークで、70歳以上の約2250万円が続きました。60歳未満の貯蓄額が約1050万円なので、貯蓄額は約2倍の差が生まれています。
60歳以上の貯蓄額は2000万円を超えていて、預貯金での保有が65%程度でした。60歳未満の貯蓄額と比較して、約2倍の差があります。
負債は年代別で見ると少ない金額におさまる
貯蓄額は60代でピークとなり、次いで70歳以上の順になりました。一方で、負債額の状況を見ると、以下の通りになります。
●60歳~69歳 約240万円
●70歳~ 85万円
年齢別で見ると、負債は30代をピークに徐々に減少し始めます。
項目別に見ると、60代と70歳以上の世帯でも、住宅や土地の負債が生じていました。
住宅や土地に関する負債が生じていますが、負債を抱えている金額が少ないので、60歳以降の支出を減らせる準備が現役世代でできるかがポイントです。
資産を増やして支出しない取り組みをしておく
定年する年齢以降の貯蓄額と負債額を解説しました。60代は貯蓄額が約2300万円あるので、定年退職の貯蓄額としてベンチマークになるといえるでしょう。とはいえ、インフレや年金額が2022年4月から原則0.4%引き下げられるなど、老後の生活は今と同じ水準で送れないと認識されています。
余計な負債を抱えて60歳以上を迎えないように、ライフプランや資産運用といった将来の備えがより一層重要といえます。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 老後の生活にどれくらい不安を感じている?
総務省 家計調査 貯蓄・負債編 2022年(令和4年)1~3月期平均結果
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー