更新日: 2022.09.26 定年・退職

定年退職後も働きたい高齢者は「40%」? 60歳以降の収入事情を解説

定年退職後も働きたい高齢者は「40%」? 60歳以降の収入事情を解説
内閣府が令和3年度に実施した「国民生活に関する世論調査 」によると、お金を得るために働いている60代が約60%もいることが分かりました。70歳以上でも約35%の人が、お金を得るために働いています。
 
一方で、生きがいを見つけるために働いている人は、60代で約15%にとどまりました。定年退職した人は、個人のやりがいや自己実現よりも、日々の生活を維持するために働いているといえます。
 
本記事では、定年退職した人の収入状況や就労意欲について解説します。働かざるを得ない60歳以降の生活状況を知るための参考にしてください。
川辺拓也

執筆者:川辺拓也(かわべ たくや)

2級ファイナンシャルプランナー

定年退職をした後の平均所得は約310万円

高齢者世帯の平均所得金額は約310万円となっていて、150万円から200万円の割合が最も多くなりました。
 

 
高齢者世帯の所得金額をみると、ボリュームゾーンは100万円から349万円です。所得金額のうち、公的年金が占める割合はいくらなのでしょうか。
 

 
図表2によれば、公的年金が所得の全額を占めている高齢者世帯が約48%となりました。高齢者世帯の約半数が、公的年金だけで生活をしている状況です。
 
定年退職後の平均所得は約310万円と、必ずしも豊かに生活するのに十分な金額とはいえません。さらに高齢者世帯の約半数が、公的年金を頼りにした生活を送っています。こうした事情が背景にあり「働かざるを得ない」状況が生まれてしまっているといえるでしょう。
 

定年後に就労意欲のある60代以上は40%

高齢者の就業率の推移をみると、60歳以上を対象とした全年齢帯で伸び続けています。70歳から74歳の高齢者は、3人に1人は何らかの仕事に従事している状況です。10年前より就業率のポイントが伸びていることから、退職後も仕事をする人が増え続けているといえます。
 

 
60歳を超えた高齢者のうち40%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答しています。背景としては「仕事をしないと生活ができない」「生活にゆとりを持たせたい」という点が理由になっているといえるでしょう。
 

働かざるを得ない老後より「働きたい」ときに働く老後に

高齢者の所得状況や就労状況について解説しました。セカンドライフを生活を維持するために働かないといけない人もいるようです。やりがいのある仕事や自己実現につながるなど、仕事は個人の幸福度を高める可能性もあるでしょう。
 
「働きたい」と思える仕事を通じてセカンドライフを楽しめるように、現役時代から資産を増やして負債を減らす計画を立てていきましょう。
 

出典

内閣府 国民生活に関する世論調査(働く目的は何か)

内閣府 令和4年版高齢社会白書

 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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