更新日: 2022.09.29 セカンドライフ

定年後に再雇用でお金を稼ぐなら知っておきたい「高年齢者雇用安定法」について

定年後に再雇用でお金を稼ぐなら知っておきたい「高年齢者雇用安定法」について
定年後も再雇用されて働き続けたい。そういったときに知っておきたいのが「高年齢者雇用安定法」です。高年齢者雇用安定法は高齢者の働き方について規定する法律です。
 
今回は高齢者雇用安定法のうち、最低限知っておきたい内容についてご紹介します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

高齢者雇用安定法とは

高齢者雇用安定法とは、少子高齢化が進む日本の経済社会を維持していくため、働く意思と能力のある高齢者が活躍できる社会環境を整備するための法律です。
 
定年後も再雇用で働き、お金を稼ぐ場合は少なからずこの法律の適用を受けることになるため、定年後も再雇用で働くのであれば知っておくべき法律という訳なのです。
 

企業は65歳まで雇用機会の確保をしなければならない

かつて定年は60歳が普通であった時代もありました。しかし、今では高年齢者雇用安定法によって、定年が65歳未満とされている場合、雇用主は次のいずれかの措置を講ずることが義務付けられました。

・定年を65歳以上とすること
・定年の廃止
・原則、雇用を継続希望する者全員については65歳まで再雇用ないし勤務の延長

これによって、希望すれば基本的に定年後も65歳まで再雇用などで今の勤務先で働き続けられることになっています。
 

70歳までは働くことのできる環境の整備も義務付けられている

努力義務ではありますが、雇用主には70歳までの定年の引き上げや定年の廃止、業務委託契約での業務の継続など、希望すれば70歳まで働き続けられるよう、就業機会を確保するための努力をすることが義務付けられています。
 
先の65歳までの雇用などの義務と併せて、定年後も再雇用を希望する場合は遠慮なく会社に相談ができるようになっています。
 

高年齢雇用継続給付を受けられる

高年齢雇用継続給付とは、原則として60歳時点の賃金と比較して、60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満となっているなどの要件を満たす方が受け取れる給付金です。
 
定年後の再雇用においては給与が下がることがほとんどであるため、そこをカバーするための仕組みです。計算式はやや複雑で、給与の低下率に応じた支給率を減少後の給与にかけて算出します。
 

図表1

 
出典:厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
 
例えば、60歳到達時に月給30万円の給与を受け取っていた方が、再雇用で月給20万円となってしまった場合、1万6340円が支給されるという具合です。
 
ただし、65歳未満で雇用保険の被保険者であった期間が5年以上必要などの要件もあります。詳細については在職中の会社を管轄するハローワークへご相談ください。
 

高年齢者の再就職支援の強化

高年齢者雇用安定法を受け、関係各所も高齢者の再就職支援のためにさまざまな施策を実施しています。
 
例えば、シルバー人材センターでは地域で高齢者の就業機会が増えるよう働きかけています。ハローワークでは、生涯現役支援窓口事業の設置とともに高齢者を雇う企業に助成金を出すなどの支援もしています。
 
このような取り組みから、昔よりも定年後に新たなキャリアを歩みやすくなっています。再雇用を考えている場合であっても、ハローワークやシルバー人材にて再就職する場合とで比較して定年後の働き方を決められることを知っておくと、定年後の選択肢が広がります。
 

定年後に働く場合は高年齢者雇用安定法について知っておくべきです

今の日本は高年齢者雇用安定法によって、再雇用に限らず定年後も働いていけるよう、国や関係各所が努めています。しかし、そういった制度は知らないことで恩恵を十分に受けられないこともあります。
 
定年後も働くのであれば、国などが整備した制度の恩恵を最大限に受けられるよう、高年齢者雇用安定法について簡単にでも学んでみてください。自身で学ぶ事が難しいという場合、高年齢者雇用安定法についてハローワークなどにご相談ください。
 

出典

厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
厚生労働省 離職されたみなさまへ
厚生労働省 高年齢者雇用対策の概要
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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