介護の負担を減らす手段はたくさん! 制度を活用して仕事と両立しよう
配信日: 2022.09.30
ただ、介護の負担を減らす制度も整っているので、うまく活用すれば両立できます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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介護にかかる負担
介護にかかる負担は、精神的なものと金銭的なものがあります。
仕事との両立
仕事と介護の両立は、働いている本人に大きな負担がかかります。
1日型デイサービスに預けるとしても、送り迎えのときは対応しなければいけません。デイサービスが終わる時間は夕方ごろになるので、それ以降の時間は自分で介護する必要があります。仕事は時短勤務で対応すると考えても、退勤後に介護するのは大変です。
リフォーム費用
老人ホームに預けるまでは自宅での介護となりますが、自宅がバリアフリーに対応していない場合は、屋内のリフォームや屋外スロープの設置、介護用ベッドの購入が必要になります。
生命保険文化センターが2021年9月に公表した資料によると、リフォームなど介護に必要な一次費用の平均は74万円です。
介護サービスの利用にかかる費用
デイサービスや老人ホームに預ける費用も、大きな負担になります。毎月かかる介護費用の平均は8万3000円、介護期間の平均は61.1ヶ月です。
リフォーム費用と合わせて、介護費用は平均581万円程度の負担になるので、大きな出費になるといえるでしょう。
介護の負担を減らす制度
介護の負担は重いものの、現法律では負担を減らす制度も整っています。
介護休業制度
介護休業は、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業です。対象家族1人につき3回までで、休業できる期間は合計93日です。労働者の対象にはパートやアルバイトも含まれます。
パートやアルバイトの場合、下記条件を満たす必要があります。
・介護休業の取得予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日以降も契約が更新される可能性があること
・1週間の所定労働日数が3日以上であること
介護休業期間に応じて、介護休業給付も受け取れます。ただし、給付を受けるためには、介護休業終了後の翌日から2ヶ月を経過する日の属する月の末日までに行わなければいけません。
介護保険における住宅改修
住宅のリフォームには、介護保険における住宅改修として、最大18万円が支給されます。手すりの取り付けや段差の解消、床の材料の変更など、介護のために必要なリフォーム全般が対象です。
原則として、1人の介護につき1回までの支給となりますが、要介護区分が3段階上昇したときや、転居したときのリフォームには、再度18万円が支給されます。
高額介護サービス費
介護費用には、収入区分に応じて自己負担限度額が定められており、毎月一定の額以上を負担した場合は、国から還付が受けられます。親子と別世帯で、親の年金収入が148万円以内(住民税非課税)である場合、自己負担限度額は毎月2万4600円です。
制度を活用すれば介護の負担は抑えられる
介護の負担は、国の制度を活用すれば抑えられます。申請しなければ給付を受けられないので、積極的に利用しましょう。
出典
厚生労働省 介護休業を活用し、仕事と介護を両立できる体制を整えましょう。
厚生労働省 介護保険における住宅改修
厚生労働省 令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索より「サービスにかかる利用料」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部