更新日: 2022.09.30 定年・退職

定年前後でも申し込める「住宅ローン」はあるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

定年前後でも申し込める「住宅ローン」はあるの?
「そろそろ定年、家を建て替えたい」「定年後に新たな所に家を建てたい」と思っても、老後資金に不安があったりして費用をどのように準備しようか悩む方がいらっしゃるかもしれません。
 
今回は定年前後でも申し込める「リバースモーゲージ型住宅ローン」について解説します。
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どんな制度があるの?

「住宅ローン」と聞くと、若いうちに申し込んで長期間返済をするイメージを思い浮かべる方が多いです。満50~60歳以上の人向けの住宅ローンとして「リバースモーゲージ型住宅ローン」を、金融機関などが取り扱っています。
 
「住宅ローン」は最初に借り入れし受け取った資金の元金と利息を、毎月返済していくのが一般的です。
 
「リバースモーゲージ型住宅ローン」は、借り入れた人が生涯にわたって毎月利息分のみを支払います。借り入れた人が死亡した後に、相続人が相続した自宅・土地を売却して元金を一括で返済します。契約条件次第で、配偶者が契約を引き継ぐこともできます。不動産(住宅・土地)の所有権を持ったままで担保にして借り入れることができます。
 

借りた資金を使える範囲はどこまで?

この制度で借りた資金を使える範囲としては「借り入れた本人が住む住宅の建設・購入」「自宅のリフォーム費用」「子ども世帯などの住宅資金」「高齢者向け住宅の入居一時金」が多いです。
 
自宅に住み続けながら老後の生活資金をなるべく保っていたいと考えている人や、相続人がいない、自宅を残す必要がなくて死後に家を処分したいなどという人には選びやすい選択肢です。
 
借りた資金を使える範囲は金融機関によって異なりますので、十分な比較検討が必要です。
 

住宅ローンの残債の借り換えに使えるの?

リバースモーゲージ型住宅ローンは、住宅ローンからの借り換えも可能です。
 
住宅ローンと違い、生存中に利息のみを支払うので毎月の支出を抑えられる可能性もあります。住宅ローンの残債を退職金などで一括返済しようと考えている人は、借り換えることで残った退職金を将来の生活資金に残すことも可能になります。
 

借りる前に注意すべきことは?

デメリットとして、以下のようなものもあります。

・相続人(配偶者・子どもなど)に不動産を遺産として残せない
借り入れた人が存命中に元金を繰り上げ返済し完済している、相続人が不動産を売却せずに一括で元金を返済するといったことで、残すことも可能です。
・変動金利のため、月々の返済金額が変わりやすい場合もある
・通常の住宅ローンで加入できる「団体信用生命保険」に加入できない
・担保は土地の評価額を主に算出するため、マンションは適用しづらい
・担保評価によっては希望する金額を借りられない場合もある

貸付限度額は担保評価額の50~60%に設定されている場合が多く、数年ごとに評価見直しが行われて貸付限度額も見直されるため、借り入れる時には限度額上限より低い金額にするのが良いでしょう。
 

もし、自分が亡くなったらローン支払いはどうなるの?

「リバースモーゲージ型住宅ローン」では、以下のような種類があり、「ノンリコース型」を選択する人が多い傾向です。

・「リコース型」:残債を相続人が負担しなければならないです。
 
・「ノンリコース型」:残債を相続人が返済する必要がないのですが、借り入れた人の利息負担が高めになります。返済が不要になる残債について「一時所得」として所得税などが課税される可能性もあるので、税務署などに相談が必要です。

 

まとめ

住む家・土地はあるけど、定年後の将来生活資金などが心配な人は、リバースモーゲージ型住宅ローンを利用することで月々の家計を見直すことができます。
 
配偶者・子どもがいる人は、借り入れを行う前に「将来、不動産をどうしたいのか」を話し合って合意しておくことをおすすめします。
 

出典

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) 【リ・バース60】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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