更新日: 2022.09.30 老後

70~80代のお金の基本 どんなふうに家計を管理したらいいの? 相続対策は?

執筆者 : 下中英恵

70~80代のお金の基本 どんなふうに家計を管理したらいいの? 相続対策は?
高齢者の方では年金収入のほか、今までの貯金を切り崩して生活している人が多いと思います。働いていた現役世代と違い、高齢者の場合は今後に必要となるお金や相続のことも考えて、どのように家計を管理していったらいいのでしょうか。
 
今回は、特に70~80代の高齢者の方が覚えておきたい、家計の管理方法の基本を解説します。
 
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

老後生活での収支を把握、貯金からの切り崩しも確認

どの世代の人にとっても家計の管理の基本は、まず収支を把握することです。現役世代のように働いていない高齢者の方であっても、家計簿をつけて、大体の家のお金の流れを把握しておくと、今後の生活の見通しが立てやすくなるでしょう。
 
70~80代などの多くの高齢者の方の場合、収入については年金がメインだと考えられますが、その他にパートなどで収入を得ている方方や、例えば不動産事業での家賃収入があるケースなどもあるかもしれません。それらを合算して毎月の収入を計算します。
 
支出については、買い物などをした際のレシートのほか、クレジットカードの使用金額も確認して計算してみましょう。
 
消費者庁のキャッシュレス決済に関する意識調査(令和2年)によると、70歳以上の高齢者でもキャッシュレス決済を利用している方は多く、そのうちクレジットカードを使って買い物をする人が8割以上いるという結果になっています。
 
現金やクレジットカードなど複数の決済方法を利用している場合、銀行の預金口座の取引明細から自身で引き出した金額や、カード会社への支払いなどをチェックすることで支出を把握できます。
 
高齢者の場合、毎月の収入に対して、生活費などの支出で足りない分を貯金から切り崩している人も多いはずです。毎月どのくらいの金額を切り崩しているのか確認して、現在の貯金残高で何年分くらいの支出をカバーできるのか見通しを立てましょう。
 
例えば、毎月の収入が15万円、支出を23万円とした場合、貯金から切り崩さなければならないのは毎月8万円(23万円-15万円)、年間96万円(8万円×12ヶ月)です。
 
現在の貯金額が1500万円あるとすると、突発的な支出を除いたおおよそで、今後15年間は現在の生活水準を維持しながら生活できることになります。
 

保有しているすべての資産をチェックしておく

実際に家計簿をつけて、今の貯金だけでは今後の生活に不安を感じた方の場合、自分が保有している資産をもう一度チェックしてみてください。
 
例えば、銀行預金の他にも過去に買った株をずっと保有していたり、投資信託に積立投資を行っている方もいるかもしれません。これらの金融商品については、必要なタイミングで売却することで生活費などに充てることができます。
 
すべての銀行の預金口座、証券口座を確認するほか、保険契約なども見直して自分の資産を明確にしてみましょう。
 

相続の基本は資産をシンプルに整理すること

70~80代になると、子どもがいる場合はどのように資産を残すかという、相続の問題も気になってきます。相続を考える場合の基本は、自分の資産の場所を明確にして相続人となる子どもなどに伝えておくことです。
 
さらに、残した資産を相続人が活用しやすいように、できるだけシンプルに資産を整理しておくといいでしょう。例えば、複数の証券会社で株や投資信託を保有している場合、できるだけ1つの証券会社にまとめておくと相続手続きがより簡単になります。
 
また、為替商品や仕組債、個別株式などリスクが高い金融商品を保有しているケースや、信用取引など大きな損をする可能性がある取引は、特別な理由がない限りは手を引いておくことを検討しましょう。
 
そして現金化のほか、リスクが低いインデックス投資信託や国債などのシンプルな商品に買い替えると安心です。
 

まとめ

70~80代の高齢者の方が、経済的な不安を感じることなく生活していくためには、お金の流れを把握するために家計簿つけることや、相続にも備えて保有している資産を整理することが基本です。
 
今回ご紹介した内容を参考に、現在の家計について確認してみてはいかがでしょうか。
 

出典

消費者庁 [参考・令和2年12月(確報)]キャッシュレス決済に関する意識調査結果
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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