更新日: 2022.10.08 介護

介護費用は100万円を超える場合が6割以上! 予防医療が重要な理由

介護費用は100万円を超える場合が6割以上! 予防医療が重要な理由
少子高齢化が問題視されて久しいですが、今や日本は「高齢化社会」を通り越し、「超高齢化社会」へと突入しています。メディアでも老老介護やヤングケアラー、介護職の人手不足など介護をめぐるさまざまな問題が報じられています。人生100年時代には介護のリスクとどのように向き合うかが重要です。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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時間も費用もかかる介護の実情

スマートスキャン株式会社(東京都中央区)が、2022年1月に過去に要介護1~5の親族などを介護した男女1024人を対象にした「介護経験を踏まえた予防医療の重要性に関する調査」によると、介護者が1日に介護に費やした時間は「3時間未満(48.1%)」が最多となり、以降「3時間以上6時間未満(25.1%)」「6時間以上9時間未満(11.9%)」「15時間以上(6.2%)」「9時間以上12時間未満(5.7%)」「12時間以上15時間未満(3.0%)」と続きました。
 
さらに、介護が継続した期間については、「1年以上5年未満(45.6%)」が最多。以降「5年以上10年未満(22.3%)」「1年未満(20.9%)」「10年以上15年未満(7.3%)」「15年以上20年未満(2.6%)」「20年以上(1.3%)」と続きました。
 
一方、介護の費用については「100万円未満(37.8%)」が最多となり、以降「100万円以上200万円未満(18.3%)」「200万円以上300万円未満(12.1%)」「300万円以上400万円未満(9.2%)」「400万円以上500万円未満(7.9%)」と続いています。この金額は公的介護保険の支給額を除いた金額です。
 
これらのデータから介護は長時間、長期間に及ぶリスクがあることに加え、経済的負担も大きいことが分かります。
 

個人のライフプランでもリスクマネジメントの考え方が有効

最近では介護現場において、リスクマネジメントの考え方が広く取り入れられるようになっています。利用者の安全やスタッフが働きやすい職場づくりが目的ですが、個人のライフプランにおいてもこの考え方が有効です。
 
図表1

区分 手段 内容
リスク
コントロール
回避 リスクを伴う活動自体を中止し、予想されるリスクを遮断する対策。リターンの放棄を伴う。
損失防止 損失発生を未然に防止するための対策。予防措置を講じて発生頻度を減じる。
損失削減 事故が発生した際の損失の拡大を防止・軽減し、損失規模を抑えるための対策。
分離・分散 リスクの源泉を一箇所に集中させず、分離分散させる対策。
リスク
ファイナンシング
移転 保険、契約等により損失発生時に第三者から損失補てんを受ける方法。
保有 リスク潜在を意識しながら対策を講じず、損失発生時に自己負担する方法。

出典:中小企業庁 中小企業白書(2016年版) 第4章:稼ぐ力を支えるリスクマネジメント 4 リスクマネジメントの必要性
 
介護においてはまずは家族間で話し合うことや介護の知識を身につけてリスクを評価することが必要です。適度な運動や規則正しい生活、食生活の見直しはリスクコントロールに該当します。介護保険への加入はリスクファイナンシングに該当します。
 

予防医療の重要性

介護のリスクに対し、どのように向き合うかはそれぞれの事情によっても異なります。介護では何もせずにリスクを受け入れることができる人はまれでしょう。リスクをコントロールしながら、介護保険などでリスクを移転することが最も現実的な対応といえるでしょう。リスクコントロールにあたるのが予防医療なのです。
 
また、リスクの評価を適切に行うことも重要です。要介護者は自分の両親だけではなく配偶者の両親も対象となるかも知れません。介護者の勤務先には介護休暇など介護をサポートする福利厚生の制度があるかも知れません。こうしたことも含め前もって情報を収集しておく必要があります。
 

出典

スマートスキャン株式会社 介護経験を踏まえた予防医療の重要性に関する調査
中小企業庁 中小企業白書(2016年版) 第4章:稼ぐ力を支えるリスクマネジメント 4 リスクマネジメントの必要性
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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