更新日: 2022.10.20 老後

「#要介護1と2の保険外し」がトレンド入り!実際に保険から外れるとどう困る?

「#要介護1と2の保険外し」がトレンド入り!実際に保険から外れるとどう困る?
2024年度の介護保険制度の見直しに関する財務省の構想が、介護事業者や利用者家族などから批判を集めています。構想の内容は要介護1・2の人の訪問介護と通所介護サービスを介護保険の介護給付から、市区町村に移管するというものです。
 
SNSでも「要介護1と2の保険外し」という言葉が話題になりました。一体、どのような問題が起こり、誰が困るのか、詳しく説明します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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要介護1・2を「地域支援事業」にする構想

現状、要介護1・2の人に対する介護サービスは現物給付という形で行われ、利用者はサービスにかかった費用の1割~3割を支払い、残りを国と都道府県、市区町村で負担してきました。
 
財務省の構想は、要介護1・2の人の訪問介護と通所介護については、国の負担をなくし、市区町村の「地域支援事業」としていこうというものです。「地域支援事業」となることで、市区町村は人員配置や介護事業所への報酬を独自に決めていくことになります。
 
しかし、市区町村が人員配置や報酬を決めるようになると、自治体の財政状況によって介護サービスの質が下がってしまうのではないかという懸念が生まれてきます。例えば、介護事業所に支払う自治体からの報酬を減らしてしまえば、現在と同じ事業を継続することができず、受け入れる利用者の数を減らさざるをえないのではないかという懸念が生まれます。
 
すでに要支援1・2の訪問介護と通所介護については、介護保険ではなく地域支援事業に移行しています。ですが、介護事業所へ支払われる報酬が少ないため、人材がきちんと育たないことやサービスの質がよくないことなど、課題もあります。
 
要介護状態の人の訪問介護と通所介護も「地域支援事業」に移行すれば、介護事業所だけでなく利用者や利用者家族の負担が大きくなるのではないかと心配されていて、慎重論や反発が大きくなっているのです。
 

要介護1・2とはどのような状態か

それでは、要介護1・2とはどのような状態なのでしょうか。まず、要介護認定の結果には「自立」「要支援」「要介護」の3段階がありますが、「自立」は日常生活を送る上で、介護サービスを受けなくてもよい状態、「要支援」は日常生活の基本動作は自力でできるけれども、何らかの支援が必要な状態です。
 
それに対し、「要介護」は日常生活の基本動作を自力で行うことができず、周囲からの介助を必要とする状態を指します。
 
具体的に要介護1は立ち上がりや歩行が不安定で、入浴時の着替えや排せつ時のズボンの上げ下ろしに手助けが必要な状態、要介護2は立ち上がりや歩行を自力で行うことが困難で、入浴や排せつの一部または全てに介助が必要な状態です。要介護1・2の訪問介護や通所介護のサービスの質が下がり、これまで通りにサービスを利用できなくなると、利用者家族の負担が大きくなることが予想されます。
 

増え続ける介護給付

少子高齢化が進む中、要支援・要介護の認定者数も増えています。2000年4月時点で218万人だった認定者は2017年4月時点では633万人となりました。団塊の世代が徐々に後期高齢者となる中、介護給付に必要なお金も多くなるでしょう。しかし、要介護1・2に認定されている人も自力での生活は困難です。制度の見直しが必要だとしても、利用者や利用者家族の目線に立った案が求められています。
 

利用者や介護事業所目線に立った制度改正が必要


 
要介護1・2の人が訪問介護・通所介護を満足に利用できなくなると、介護事業所・利用者・利用者家族の負担が増えますし、高齢者施設への入所を検討する人が増えることが懸念されます。自治体によって、サービスに大きな違いも出てくるでしょう。もちろん介護給付に必要なお金は今後も増え続けることが予想されますが、介護が必要な人を幅広く支え続ける仕組みも大切だといえます。
 

出典

厚生労働省 要介護認定
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット 介護保険財政とは
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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