定年離婚でのお金に関するポイント
配信日: 2022.10.26
若い世代での離婚も同様ではありますが、50代、60代の離婚ではその後の人生を安心して歩んでいくためのお金の確保が特に重要なポイントになるため注意しましょう。
本記事では、定年離婚で生活に困らないために、離婚時のお金に関する取り決め方のポイントを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
定年離婚では生活費の確保が必須
定年離婚ということは、夫婦の年齢は60代である場合が多く、特に夫婦どちらかが専業主婦(夫)であった期間が長い場合には、再就職や生活費の確保が難しい場合もあるでしょう。
では、定年離婚で手に入れることができる財産について解説していきましょう。
財産分与は原則2分の1
結婚して離婚するまでに築き上げられた財産は夫婦の共有財産であり、原則として2分の1ずつで分け合うことになります。共有財産とは例えば、結婚後に貯めた預貯金、結婚後に購入した自宅、車、株式などです。
「専業主婦(夫)だから」と、2分の1も受け取る権利はないのではないかと心配される方がよくいらっしゃいますが、専業主婦(夫)としての仕事をしてきたからこそ、配偶者も仕事に打ち込めたのです。2分の1を受け取る権利は当然にあるので安心してください。
ここでは、定年離婚に際して重要な財産分与である、退職金、年金について見ていきましょう。
退職金も財産分与の対象
定年時の離婚であれば、退職金も財産分与の対象になるのでしょうか。その通り、配偶者の定年退職金は財産分与の対象になります。なお、既に受け取った退職金はもちろんのこと、定年前の離婚であっても、支給予定のある退職金については財産分与の対象になります。
年金分割
年金分割とは厚生年金について認められている制度で、夫婦どちらか年金保険料を多く収めた方から少ない方へ、婚姻期間中の納付実績を分けることができます。
専業主婦(夫)で国民年金の第3号被保険者だった人は、基礎年金のみであることから年金が少ない点が懸念されますが、年金分割によって厚生年金も受け取ることができるようになります。
特に定年離婚の場合には婚姻期間が長いと考えられるため、年金分割による効果は、若い世代での離婚よりも高くなります。忘れずに手続きしましょう。
離婚前に別居する場合は婚姻費用の請求も
夫婦はお互いに助け合って生活しなければならない義務があるため、婚姻期間中は収入が多い方が収入の少ない方を助けなければなりません。
よって、離婚前に別居した場合には、収入が少ない方は離婚が成立するまでの期間に対して婚姻費用(夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用)を請求することができます。
定年離婚は弁護士に依頼しよう
定年離婚では退職金をはじめ、自宅など財産分与に大きな金額の財産がある場合が多いです。夫婦同士の話し合いで解決できるという場合であっても、弁護士に依頼して合意書などを作成してもらった方が良いでしょう。
財産分与でもめる場合には、知識がない方が不利になりやすいリスクがあるため、弁護士に交渉など依頼できると安心です。
まとめ
定年離婚は、計画的にお金の準備をしていくことが重要になります。離婚に際するさまざまな問題を乗り越えることには大きなストレスを伴いますが、その先には明るい第二の人生が待っているはずです。財産分与まで気を抜かず走り切りましょう。
配偶者に離婚を切り出す前に、弁護士に相談できるとなお良いです。
出典
法務省 財産分与
法務省 婚姻費用に関するお悩み
裁判所 婚姻費用の分担請求調停
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部