更新日: 2022.11.09 セカンドライフ

老後のお金が不安になったとき、まずは何からやればいい?

老後のお金が不安になったとき、まずは何からやればいい?
日々の生活の中で物価高や円安、株価の乱高下、といった報道を見聞きし、何となく老後の生活に不安を感じていませんか。さらに、年齢が進むにつれ医療費や介護費用のことも気になり、老後の生活に必要なお金を今から準備しないと、という気持ちになりがちです。
 
そこで、今回はそのような人にやってほしい最初の1歩について解説します。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

「老後の生活に不安」はどこからやってくるのか

令和元年度に実施された公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(※1)によると、84.4%の人が老後生活に不安を感じています。さらに同調査における、不安の内容についての質問には、82.8%の人が「公的年金だけでは不十分だから」と回答しています。
 
つまり、多くの人が公的年金だけでは足りないと感じているから不安になっている、ということが分かります。
 

公的年金がいくら受給できるか知っていますか

多くの人が「老後の生活は公的年金だけでは足りない」と感じてはいるけれど、実際に公的年金がいくら受給できるかを知らない、ということも多いです。インターネットを中心とする漠然とした情報から「これぐらいは受給できる」と思っている人も多いようですが、実際に自分自身が受給できる本当の金額を知っている人は少ないです。
 
ここが問題です。本当に受給できる金額を知らないにもかかわらず、公的年金だけでは足りないからお金をいっぱい残さないといけないのに何もできていないし、どうしよう、と焦ってしまうのです。では、どうすれば良いのでしょうか。
 

ねんきん定期便の活用を

毎年誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」ですが、そのものを知らないという人は少ないです。ところが、その見方を知らない人は多いです。なかには、毎年届くけれど中を開けることなく捨てているという人もいるようです。
 
実はこの「ねんきん定期便」には、とても大切な情報が書かれています。それは原則65歳から受給できるあなた自身の年金額です。さらに、50歳以上の人には、受給できる年金見込額が書かれています(※2)。
 
つまり、ねんきん定期便を見ることで、原則65歳以降に実際に自分自身が受給できる年金額を知ることができるのです。
 

受給額を知って次の行動につなげる

老後の生活に不安を感じたら、まずは自分自身が受給できる公的年金の金額を正確に知ることを心がけてください。ねんきん定期便が手元になくても、「ねんきんネット(※3)」で確認することもできます。
 
ねんきん定期便の見方が分からないとか、ねんきん定期便を紛失していて分からないという人は、日本年金機構(※4)に問い合わせてみてください。電話でも窓口でも相談できます。
 
また、正確な受給額を知ったうえで、やはり老後の生活に必要なお金が足りないと感じた場合、次にすることは、公的年金以外に入ってくるお金を知ることです。老後は、「受給する公的年金+公的年金以外の収入+金融商品+預貯金」で亡くなるまで生活することになります。これらの総額と、その後続く数十年の生活費を比較して、総額が多ければ不安は解消するわけです。
 
簡単に書きましたが、不安を解消するためには早くから準備を進める必要があります。まずは、あなた自身の受給できる公的年金の金額を知り、老後の生活の不安解消のための第一歩を踏み出してください。
 

出典

(※1)公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」
(※2)日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
(※3)日本年金機構 ねんきんネット
(※4)日本年金機構「年金のご相談(電話・窓口)」
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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