更新日: 2022.12.07 定年・退職

定年後は「退職金」さえあれば年金だけで生活できる?余命や金額の平均をもとに検証

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

定年後は「退職金」さえあれば年金だけで生活できる?余命や金額の平均をもとに検証
定年退職後の生活設計をするときに、退職金と年金だけで生活できるかどうかは気になるポイントです。
 
老後の資金形成や定年退職後の再就職を検討する上でも、老後の具体的な生活をイメージしておく必要があります。
 
この記事では、退職金、厚生年金、国民年金、生活費、余命の平均値をもとに、定年退職後の収入と支出を算出して検証してみました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

1ヶ月に使える退職金額を平均余命から算出

定年退職後の具体的な生活をイメージするために、定年退職後の収入(退職金、厚生年金、国民年金)と支出、平均余命を確認する必要があります。平均余命のデータが必要な理由は、退職金を平均余命で使い切ると想定し、1ヶ月に使える退職金額を算出するためです。そのほかの情報はすべて月額なので、そのまま使用します。
 
退職金の平均額は、学歴や勤続年数によって異なるため、ここでは勤続年数が35年以上の平均額を例にあげます。厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況」によると、勤続年数が35年以上で大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の人の退職金平均額は2173万円、高校卒(管理・事務・技術職)の人は1954万円、高校卒(現業職)の人は1629万円です。
 
平均余命は、令和3年の調査で65歳男性が19.85歳(寿命は84.85歳)、65歳女性が24.73歳(寿命は89.73歳)となっています。
 
平均余命を生きると仮定すると、1ヶ月に使える退職金の金額は、退職金÷平均余命÷12ヶ月で算出できます。
 
大学・大学院卒の男性は、約9万1225円、女性約7万3224円です。高校卒(管理・事務・技術職)の人は男性約8万2031円、女性約6万5844円。高校卒(現業職)の人は男性約6万8387円、女性約5万4892円となります。
 

定年退職後の収入合計(退職金、厚生年金、国民年金)

令和2年度の厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額(老齢年金)は、14万6145円、令和4年度の国民年金(老齢基礎年金・満額)の平均額は、月額6万4816円です。定年退職後の収入合計は、厚生年金受給額+1ヶ月当たりの退職金、もしくは国民年金受給額+1ヶ月当たりの退職金で計算できます。
 
勤続年数が35年以上の場合、最も退職金が多い大学・大学院卒(管理・事務・技術職)男性の1ヶ月の収入合計は、厚生年金受給額14万6145円+1ヶ月当たりの退職金約9万1225円で、約23万7370円となります。国民年金受給者の場合は、6万4816円+約9万1225円で15万6041円です。
 
最も退職金の少ない高校卒(現業職)女性の1ヶ月の収入合計は、厚生年金受給額14万6145円+1ヶ月当たりの退職金約5万4892円で約20万1037円となります。国民年金受給者の場合は、6万4816円+約5万4892円で11万9708円です。
 

厚生年金受給者の多くは退職金と年金のみで生活できるケースが多い

令和3年の家計調査によると、65歳以上単身無職世帯(高齢単身無職世帯)生活費(消費支出)の平均額は13万2476円です。
 
最も退職金が多い大学・大学院卒(管理・事務・技術職)男性であれば、厚生年金受給者、国民年金受給者のいずれであっても支出の平均額を上回る収入があるため、退職金と年金のみで生活することができます。
 
一方で、最も退職金の少ない高校卒(現業職)女性の場合、厚生年金受給者であれば収入合計が支出の平均額を上回ります。しかし、国民年金受給者は支出が収入合計を上回るため、退職金と年金のみで生活することはできないということになります。
 

退職金と年金のみで生活できるかは学歴や年金の種類、何歳まで生きるかなどによって決まる

一般的に、35年以上勤務して退職金を受け取っている人は、厚生年金受給者が多いと考えられるため、退職金と年金のみで生活できるケースが多いといえるでしょう。
 
一方で、学歴や勤続年数、受け取る年金の種類によっては、年金と退職金だけでは生活費をまかなえないケースがあることも覚えておきましょう。
 
また、平均余命よりも長生きしたり、家のリフォームや車の乗り換え、医療費などがかかったりすることもあるため、余裕を持った資金計画をたてておきたいものです。
 

出典

厚生労働省 平成30年就労条件総合調査の概況 第24表 退職給付(一時金・年金)制度の形態別定年退職者1人平均退職給付額(勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者)
厚生労働省 令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)2 総世帯及び単身世帯の家計収支 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2021年-
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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