更新日: 2022.12.07 セカンドライフ

60〜70代以上は仕事でいくら稼いでいる? 高齢者の賃金に関するデータを紹介

60〜70代以上は仕事でいくら稼いでいる? 高齢者の賃金に関するデータを紹介
定年延長などの動きがあるなかで、60代や70代でも仕事で稼ぎたいと考える人は多いでしょう。そのようななかで、高齢者が働いたときにどれくらい稼げるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。
 
そこで本記事では厚生労働省などの統計データをもとに、働いている60代以上の平均年収や高齢者の年収が高い業界の情報をまとめるとともに、高齢者の賃金満足度についても紹介します。ぜひ参考にして、老後の働き方を検討してみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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60~70代以上の高齢者の平均給与額と年収

 
厚生労働省が実施した「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果によると、60代および70代以上の一般労働者の平均給与額とボーナスなどを加えたおおよその平均年収は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

    

全体 男性 女性
給与 年収 給与 年収 給与 年収
60~64歳 30万7900円 435万6100円 33万5700円 477万7200円 24万3900円 338万6800円
65~69歳 27万1300円 361万5700円 28万7800円 383万3700円 23万100円 307万1300円
70歳以上 25万1000円 326万4100円 26万5300円 342万1700円 21万5100円 286万8300円

※平均年収は「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」より求めた概算値
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者」より筆者作成
 
全体で見ると、60代前半では日本の給与所得者5270 万人の平均給与443万円(国税庁「令和3年 民間給与実態統計調査結果」による)をわずかに下回る、約436万円がおおよその平均年収です。年齢が上がるほど給与や平均年収は低く、70代以上では300万円台前半となっています。
 
男女別に見ると、男性のほうが総じて、女性よりも高い数字が出ています。年齢が高いほど給与・平均年収が低い傾向は全体と変わりませんが、男性のほうがより顕著です。
 
また、「令和3年賃金構造基本統計調査」による、短時間労働者の平均年収はおおよそ図表2のとおりです。
 
【図表2】

60~64歳 156万円
65~69歳 146万円
70歳以上 133万円

※「実労働日数」「実労働時間」「1時間当たり所定内給与額」「年間賞与その他特別給与額」より概算。千円単位は四捨五入
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 短時間労働者」より筆者作成
 
一般労働者と比べると、どの年代でも半分以下の年収となっており、年代間の差は大きくありません。
 

60〜70代の高齢者が最も稼いでいる業界は?

 
図表3は、「令和3年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに、高齢の一般労働者の平均年収が高い業界と年代別の年収をまとめたものです。
 
【図表3】

60~64歳 65~69歳 70歳以上
教育、学習支援業 719万8400円 685万4300円 507万3000円
学術研究、専門・技術サービス業 623万2700円 484万9200円 448万9100円
金融業、保険業 504万7000円 464万7400円 489万2500円

厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者」より筆者作成
 
これらの業界では、高齢者のいずれの世代でも、平均年収が日本の平均年収を超えています。傾向として、身体を使う業務が多い仕事より、教育関係など、専門知識を生かして働ける業界のほうが、高齢者の年収が高いといえそうです。
 
また、60代では、図表3に挙げた業界のほかに情報通信業や建設業でも、ほかの業種と比べて高い数字が出ています。
      

60歳以上の賃金満足度は44%

 
日本労働組合総連合会が実施した「高齢者雇用に関する調査2020」によると、60歳以降も働く人の仕事満足度は図表4のとおりです。
 
【図表4】

項目 満足している人の割合
働き方 70.3%
労働時間 73.8%
労働日数 73.3%
仕事内容 71.5%
賃金 44.0%

日本労働組合総連合会「高齢者雇用に関する調査2020」より筆者作成
 
働き方や労働時間、労働日数、仕事内容に関しては満足している人の割合が70%を超えているのに対して、賃金に関しては満足している人が44%と半分を切っています。働く高齢者の多くは、今の働き方のままでもっと多くの賃金を得たいと考えていると考えられます。
 

高齢者の給与は現役時のピークと比べて少ない

 
統計データを見ると、高齢者の給与は平均すると現役時のピークである50代前後と比べて低いことが分かります。しかし、働く業界によっては高齢者の給与水準も高いため、60代、70代でも現役並みに仕事で稼ぎたいと考えるなら、業界選びは重要なポイントだといえます。
 
老後を豊かに過ごすために、満足のできる仕事をしながら納得のいく金額を稼げる環境を目指しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 短時間労働者
国税庁長官官房企画課 令和3年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
日本労働組合総連合会 高齢者雇用に関する調査2020
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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