更新日: 2022.12.09 定年・退職
定年後に「働かなくてもいい」のは現役時代の年収いくらから? 必要な金額を確認
そして会社員の場合、年金がいくらになるのかは年収によって決まります。そこで今回は、年収いくらであれば老後の暮らしに十分な年金をもらえるのかを調べてみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後働かずに暮らすにはいくら必要?
まず考えるべきことは、老後働かずに暮らしていくためには一体いくらくらい必要なのかということです。“老後資金2000万円問題”で話題となった金融庁の報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、平均的な高齢者夫婦の支出額は毎月約26万円となっています。
一方、平均的な年金受給額は夫婦で約19万円のため、毎月7万円程度の赤字になるというものでした。もちろん、毎月の支出額がいくらになるのかには個人差があり、賃貸か持ち家か、結婚しているか独身なのかなどによっても異なります。しかし、「毎月26万円」は一つの目安となるでしょう。
夫婦で年金を毎月26万円受給するには?
それでは、夫婦で年金を毎月26万円受給するには、年収がいくら必要なのでしょうか。このことを考える場合、まずは共働きなのか、あるいは片働きなのかを考える必要があります。
共働きであれば、受給額は夫婦それぞれ13万円ずつであればよいわけです。夫婦がどちらも国民年金保険料を満額で受け取れるのであれば、令和4年度の満額は6万4816円です。ということは、老齢厚生年金が毎月7万円(年間84万円)程度あればよい、ということになります。
老齢厚生年金の支給額は「平均標準報酬額×5.769÷1000×加入月数」で計算できます。
どちらも加入月数が40年間(480ヶ月)だとすると、「平均標準報酬額×5.769÷1000×480ヶ月」が84万円になればよいわけです。その場合、計算すると必要な平均標準報酬額は30万3345円となります。標準報酬月額表における等級18以上です。
では、片働きだった場合はどうでしょうか。その場合も国民年金を夫婦両方が満額受給できるとするならば、どちらかの老齢厚生年金額が毎月13万円程度である必要があります。先ほどの計算式に当てはめた場合、必要となる平均標準報酬額は56万3355円で、等級は28です。
注意するべきポイントは、平均標準報酬月額=月収というわけではないということです。平均標準報酬月額がいくらになるのかは、賞与や通勤手当等のあるなしによって変わるからです。
そのため、共働きであれば賞与や諸々の手当を含めた平均年収額が360万円程度、片働きの場合は賞与や諸々の手当を含めた平均年収額が676万円程度であった場合、必要な平均標準報酬額に達することになります。
まずは自身の老後の支出額を想定しよう!
ここまで老後の暮らしにかかる生活費は月額26万円として計算してきましたが、実際老後の暮らしにいくらかかるのかは人それぞれです。
老後働かずに暮らしていきたい場合には、まず自身が老後にどれくらいの支出をすることになりそうなのかを想定することが大切です。そのうえで想定される支出額と年金受給額を比較し、足らない場合には個人年金や繰下げ受給など何らかの対策を検討しましょう。
出典
金融庁 「高齢社会における資産形成・管理」
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 は行 報酬比例部分
厚生労働省 標準報酬月額等級表(厚生年金)
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部