更新日: 2022.12.26 定年・退職

多様化する「定年年齢」! 押さえておくべきお金との関係について解説

多様化する「定年年齢」!  押さえておくべきお金との関係について解説
寿命の延びや少子高齢化による年金財政の悪化などを背景に、政府は企業に対して定年の年齢を延ばすように働きかけています。定年が延びれば、その分受け取る年金の金額や人生の選択肢が変化していくことは明白でしょう。
 
本記事では、現在の日本における定年のルールや実情、そして定年に伴い押さえておくべきお金との関係について解説しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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定年の社会的なルールとは?

定年については、「高年齢者雇用安定法」にて定められています。定年制度が導入された当初は55歳に設定されていましたが、それが60歳、65歳と延長されてきています。
 
現在の高年齢者雇用安定法では、定年が65歳未満の会社に対し、「65歳までの引き上げ」「65歳までの継続雇用制度導入」「定年廃止」のいずれかの措置を実施しなければならないと定められています。また、定年が65歳以上70歳未満の会社に対しても、70歳までの定年引き上げや定年の廃止などの措置を努力義務として求めています。
 

定年の年齢は上がってきている

政府の方針もあり、定年の年齢は上がってきています。厚生労働省の令和4年「高年齢者雇用状況等報告」によると、66歳以上まで働ける制度のある企業は調査対象の40.7%で対前年2.4ポイント増、70歳以上までだと39.1%で対前年2.5ポイント増です。
 
定年を廃止している企業の割合は3.9%で、前年よりも0.1ポイント減少しています。
 

定年の年齢と押さえておくべきお金との関係

定年の年齢が下がると、気になるのはお金の面です。ここからは、定年の年齢に関係する、押さえておくべきお金の関係についてみていきましょう。
 

退職金が増える可能性

60歳以降の勤続期間を退職金の算定に含める場合、定年の年齢が遅くなればその分退職金が増えることが期待できます。反対に、早期退職を導入している企業でも、60歳よりも前に退職すると優遇制度が適用されることもあります。退職金は税金で優遇されている面がありますので、定年を自由に選べる場合は、ぜひ確認しておきましょう。
 

年金の繰下げ受給により受給が増加

年金は65歳から受給することができます。そして、65歳よりも受給時期を繰り下げると、75歳まで繰り下げれば繰り下げるほど毎月の受給額を増やすことが可能です。「人生100年時代」と言われるほど長寿が当たり前となりつつある現代において、働けるうちは働き、少しでも年金受給額を増やすという選択肢も検討してみてもよいでしょう。
 

年金は働きながらでも受給できる場合もある

意外と知らない方も多いですが、年金は働きながらでも受給することができます。この制度を「在職老齢年金制度」といい、60歳以上で会社員として厚生年金に加入しつつ働いている人が対象です。その場合、受け取る年金額と給与の総額がだいたい月額47万円以下という条件があります。働く意欲があり、年金をもらいつつ働きたい人は押さえておきましょう。
 

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは、60歳到達時点とそれ以降の収入を比較し、60歳到達時点の75%未満の場合に支給されます。従業員としては再雇用後に大幅に収入が減少すると困りますが、会社としてはこれまで通りの給与を支払うことは困難という状況を補填(ほてん)する役割があります。
 

それぞれの人生設計にあった定年を選択しよう

定年については、基本的には会社が用意した範囲にて従業員が選択するようになっています。貯蓄の状況や今後の人生などを多角的に考え、定年の年齢を決めていきましょう。
 

出典

厚生労働省 高年齢者の雇用

厚生労働省 令和4年「高年齢者雇用状況等報告」

日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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