更新日: 2023.01.11 その他老後
老後に人とのつながりが大切な理由って? 生きがいが見つかり経済的恩恵を受けられます
老後は身体が衰え、収入も減ってしまう方が多いでしょう。現役時代のように人と関わり、生きがいを見つけて生活することは、少々難しいかもしれません。
本記事では、老後の生きがいについて調査した結果と、積極的な社会参加により、介護費用が減ったという研究結果をそれぞれ紹介します。
老後生活において、どんな生きがいがあり、生きがいがあることによってどのような経済的恩恵を受けられるのでしょうか? イメージが膨らみやすくなると思いますので、ご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後の生きがいで重要なもの
老後の生きがいには、どのようなものがあるのかみてみましょう。
内閣府による「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査」から、いくつかの結果を紹介します。
「親しくしている友人・仲間をどの程度持っているか?」という調査では、79.6%の人が仲間・友人を持っていると回答しています。その中で、友人・仲間をより多く持っていると回答した人ほど、生きがいを感じた人の割合が高くなっています。
「ふだんの外出」については、「よく外出する」「たまに外出する」を合計すると85.5%となっています。また外出頻度が高い人ほど、生きがいを感じている人が多いという結果になりました。
「社会活動への参加」について、参加した人は51.6%となっています。その中で1年間社会活動に参加し、生きがいを感じた人は84.7%という結果になっています。
この結果から、人と関わり、積極的に外出し、社会活動に参加する人ほど生きがいを感じているということが読み取れます。
社会参加は介護費用を減らす!
続いて老後の社会参加により、介護費用が減ったという研究結果を紹介します。
日本福祉大学健康社会研究センターが実施した、複数自治体を対象として、高齢者の社会参加頻度によるその後の介護費用の相違を再検討した研究を紹介します。
趣味の会ないしスポーツの会に「週1回以上参加していた群」は、「全く参加していない群」と比べ、6年間の累積介護費が1人当たり、11~12万円程度低い傾向にあることが分かりました。就労に関しては「就労している人の方」が、6年間の累積介護費は1人当たり6万円程度低い傾向にあることが分かりました。
仮に、全ての高齢者がこれらの地域活動に参加していた場合は、6年間で20%程度、就労については13%程度、現行よりも介護給付が縮小する可能性があることが示されたという結果になっています。
人と関わることはメリット大
前述の調査結果と研究結果より、人と関わり、生きがいを持ち、社会活動に参加することが、精神的・身体的側面と経済面、どちらにもメリットが多いことが示されました。人と関わることで刺激を受け、活動的になることが要因といえるでしょう。
老後生活は現役時代ほどでなくても、外出することで人と関わり、仕事やスポーツを楽しみ、積極的に社会活動に参加する生活がよいでしょう。それが心身共に健康的で、経済的にも恩恵を受けられる生活のポイントです。
出典
内閣府 令和4年版高齢社会白書(概要版)より 第3節〈特集〉高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査(概要)
日本福祉大学健康社会研究センター 社会参加で介護費用が減少
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部