熟年夫婦の「卒婚」って何? 言葉の意味と経済的メリットを解説
配信日: 2023.01.15
とはいえ、卒婚の具体的な内容や離婚との違いが分からず、悩んでいる方も多いかもしれません。
厚生労働省の「人口動態統計月報年計(概数)」(2021年)によると、「同居期間別にみた離婚件数の推移」は、同居期間が「25~30年」「35年以上」の夫婦のみ、離婚件数が前年より増加という結果が出ています。婚姻関係を考え直す熟年夫婦の多さがうかがえるのではないでしょうか。
そこでこの記事では卒婚の内容と、熟年夫婦にとっての経済的なメリットを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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卒婚とは
卒婚は、婚姻関係は続けながらも夫婦関係を見直し、個々の人生を自由に歩んでいく生活形態です。
・生活リズムはそれぞれ別で同居している夫婦
・別居している夫婦
・月の半分程度は同居し、半分程度は別居している夫婦など
結婚している夫婦が必要以上に干渉するのではなく、お互いの自由を認め合い、パートナーシップを築く新しい夫婦の形を表しています。
卒婚と離婚の違い
卒婚と離婚の違いは、婚姻関係が存続するかどうかです。
・卒婚…婚姻関係を解消せず夫婦生活を別にする
・離婚…婚姻関係と夫婦生活を別にする
卒婚は戸籍上では夫婦です。離婚の手続きが必要ないため、手軽にできるなどの利点があります。
卒婚を選ぶと、ライフスタイルはさまざまであることから、別居する夫婦もいますし、同居を続けてもそれぞれの人生を楽しんでいる夫婦もいるでしょう。
卒婚と仮面夫婦の違い
仮面夫婦とは、夫婦が互いに愛情はなくなっているものの、世間体を気にして夫婦として仲良くふるまう状態です。
一方で、卒婚は世間体を気にせずお互いに過ごしたいように過ごせるため、愛情のない仮面夫婦とは違い、卒婚は互いの生き方や趣味を受け入れています。ともに結婚生活を続けていることになるため、離婚の手続きは必要ありません。
卒婚は経済的メリットが大きい
卒婚には世間体も維持できたり、夫婦関係に問題があっても再構築できる可能性があったりと、メリットが多数あります。
中でも経済的メリットが大きく、財産分与は原則不要で、相続人としての権利が残ります。
離婚する場合、夫婦の共有財産は原則財産分与する必要があります。しかし、卒婚は離婚とは異なるため、配偶者名義の不動産、そのほかの資産に関しては取り決め内容により、卒婚後も自身が有効活用できる余地を残せます。
また、配偶者の遺産を相続できます。離婚しない以上、将来配偶者が先に死亡した場合には配偶者の遺産を相続でき、遺族年金も受給できます。
まとめ
卒婚は婚姻関係を続けながらも夫婦関係を見直し、個々の人生を自由に歩んでいく生活形態です。
離婚するよりも経済的なメリットが大きく、財産分与は原則不要で、相続人としての権利が残ります。
もしもこのまま結婚生活を続けるのは不安だという方は、卒婚を検討してみてください。
出典
厚生労働省 令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況
富士宮市 令和元年度富士宮男女共同参画フォーラム
法務省 財産分与
日本年金機構 遺族年金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部