しかし、空き家の管理には費用が多くかかる可能性もあり、注意が必要です。特に特定空き家等と認定されると、固定資産税が6倍になることもあります。
そこで本記事では、空き家の費用負担がいくらくらいなのかについて解説すると共に、特定空き家の注意点について紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年間の維持管理に要する費用
空き家の年間の管理費用はいくらなのでしょうか?
国土交通省住宅局の「令和元年空き家所有者実態調査」では、5~10万円未満が18.0%と最も多く、3~5万円未満が14.6%、10~20万円未満が14.2%、1~3万円未満が13.3%となっています。住んでいない家でも費用がかかってしまうことがわかります。
また、不動産の老朽化などがあれば、費用はさらにかかることが予想できます。そして、管理費用で考えたいのが固定資産税や都市計画税です。
固定資産税や都市計画税
不動産を所有していると固定資産税や都市計画税を支払う必要があります。これは、空き家であっても支払うものです。
固定資産税や都市計画税は「更地の場合」と「土地の上に住宅がある場合」とで大きく金額が異なります。これは、土地の上に住宅がある場合には住宅用地の特例があるからです。そのため、更地の場合は土地の上に住宅がある場合と比べて税金が高くなってしまいます。
具体的には住宅用地の特例の対象になると、住宅用地の固定資産税が最大で6分の1、都市計画税は最大で3分の1まで減額されます。反対に更地の場合は固定資産税が6倍、都市計画税が3倍もかかってしまうということです。
特定空き家になると固定資産税や都市計画税が上がる!
住宅用地の特例は非常に大きな税率の優遇がある制度ですが、2015年度からは土地の上に住宅がある場合でも特定空き家と認定されると対象にならなくなってしまいました。
特定空き家は、そのまま放置すると倒壊等の可能性があるため危険な状態、そのまま放置すると著しく衛生上有害となる可能性があるため危険な状態、適切な管理が行われていないことで景観を損なっている状態、放置していると生活環境の保全を図るために不適切である状態といった条件に該当すると認定されます。
特定空き家に認定されると、住宅用地の特例の対象から外れてしまうので、更地の場合と同じように、税金が上がってしまいます。
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老朽化などで腐朽・破損している空き家は5割を超えている
国土交通省住宅局の「令和元年空き家所有者実態調査」では、何らかの腐朽・破損が空き家にあると答えた割合が54.8%もありました。空き家から住んでいる場所が遠いと管理も難しく、修理する場合は修理費用もかかるため、そのまま放置してしまうことも考えられます。
しかし、腐朽や破損を放置することは、建物の崩壊の危険や悪臭などの被害が出てしまうこともあり、場合によっては特定空き家に認定されてしまい高い税金を支払うことにつながるかもしれません。
そのため、費用がかかっても修理をするか、更地にすることも検討しましょう。
空き家の管理について慎重に考えてみましょう
本記事では、空き家の費用負担がいくらくらいなのかについて解説すると共に、特定空き家の注意点について紹介してきました。
国土交通省住宅局の「令和元年空き家所有者実態調査」によると、特定空き家に認定された場合に税金の軽減がなくなることを知っている人は10.7%で、知らないと答えた人は62.5%でした。知らないうちに特定空き家に認定され、税金の軽減が受けられなくなることも考えられます。
相続などで空き家を取得する場合は、管理について慎重に考えましょう。特に老朽化が進んでいる家の場合は、修理や日々の管理ができていないと特定空き家に認定される可能性もあるので注意したいところです。
出典
国土交通省住宅局 令和元年空き家所有者実態調査
国土交通省 「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 (ガイドライン)
NPO法人空家・空地管理センター 空き家の固定資産税・都市計画税
NPO法人空家・空地管理センター 特定空家とは
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部