親の介護を負担に感じる方必見! 介護度別に利用できる介護サービスを負担額とともに紹介

配信日: 2023.02.26 更新日: 2023.02.27

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親の介護を負担に感じる方必見! 介護度別に利用できる介護サービスを負担額とともに紹介
高齢者社会の進展に伴って、親を介護する必要性に迫られている人が増えています。介護は身体的にも精神的にも大きな負担となるため、親の介護で疲れてしまっている方も多いのではないでしょうか。
 
介護保険制度では、要介護・要支援と診断された高齢者に対して、公的な介護サービスを提供しています。介護保険制度を活用すれば、親の介護をしている人の負担を軽減できるため、利用できる公的な介護サービスを知っておくことは重要です。
 
こちらの記事では、要支援・要介護段階別に利用できる介護サービスや月額の負担額の目安などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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介護保険制度とは

介護保険制度とは、高齢者の自立を支援することを理念とした国の制度です。高齢者やその家族が、要支援・要介護度に応じて利用するサービスを選択する仕組みとなっています。
 
介護保険制度では、要支援・要介護状態と認定された人は自己負担1割(一定以上の所得がある場合は2~3割)でサービスを利用できます。自己負担額以外の部分は、国や自治体、被保険者が納めた保険料で運営されている点が介護保険制度の特徴です。
 
なお、厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」によると、介護保険制度の制度創設以来、20年で65歳以上被保険者数は約1.6倍に増加し、サービス利用者数は約3.3倍に増加しています。
 
今後ますます高齢化が進むことが見込まれる中で、介護保険制度の重要性はさらに高まっていくでしょう。
 

介護保険で利用できるサービス

介護保険制度で利用できるサービスは多くあります。以下で、自宅で利用できるサービス、通所施設のサービスに分けて解説します。
 

自宅で利用できるサービス

【図表1:訪問介護(要介護1~5)】

項目 サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
身体介護 20分未満 165円
身体介護 20分以上30分未満 248円
身体介護 30分以上1時間未満 394円
身体介護 1時間以上1時間半未満 575円
生活援助 20分以上45分未満 181円
生活援助 45分以上 223円
通院時の乗車・降車等介助 98円

 
訪問介護は、訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問して食事・排せつ・入浴などの身体介護や掃除・洗濯・買い物・調理などの生活援助を行うサービスです。
 
要介護認定を受けた人が対象で、要介護度によって自己負担額に差はありません。
 
【図表2:訪問入浴(要支援1~要介護5)】

利用者の状態 サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
要支援1・2の認定を受けた方 全身入浴の場合 845円
要介護1~5の認定を受けた方 全身入浴の場合 1250円

 
訪問入浴介護は、看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問して持参した浴槽を用いて入浴の介護を行うサービスです。
 
要支援認定を受けた人と要介護認定を受けた人で、負担額は異なります。
 
【図表3:訪問看護(要支援1~要介護5)】

看護師 サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
訪問看護ステーションから 20分未満 311円
訪問看護ステーションから 30分未満 467円
訪問看護ステーションから 30分以上1時間未満 816円
訪問看護ステーションから 1時間以上1時間30分未満 1118円
訪問看護ステーションから 理学療法士、作業療法士または言語聴覚士による訪問の場合(20分以上) 296円
病院または診療所から 20分未満 263円
病院または診療所から 30分未満 396円
病院または診療所から 30分以上1時間未満 569円
病院または診療所から 1時間以上1時間30分未満 836円
定期巡回・随時対応型訪問介護看護と連携 訪問看護費 2935円

 
訪問看護とは、看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問して、療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。
 
要支援者でも要介護者でも、自己負担額に差はありません。
 
【図表4:訪問リハビリテーション(要支援1~要介護5)】

サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
20分以上実施した場合 290円

 
訪問リハビリテーションとは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問して心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリを行うサービスです。
 
要支援者と要介護者が利用でき、自己負担額に差はありません。
 
【図表5:夜間対応型訪問介護(要介護1~5)】

サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1回につき)
基本夜間対応型訪問介護 (1月につき)1009円
定期巡回サービス (1回につき)378円
随時訪問サービス(1名による訪問の場合) (1回につき)576円
随時訪問サービス(複数名による訪問の場合) (1回につき)775円

 
夜間対応型訪問介護は、要介護認定を受けた人が利用でき、夜間帯に訪問介護員が利用者の自宅を訪問してくれるサービスです。
 
定期的に排せつの介助や安否確認などのサービスを受けることができる「定期巡回」と、突発的な事態が起きたときに訪問介護員から介助を受けたり、救急車の手配などのサービスを受けられたりする「随時対応」の2種類があります。
 
【図表6:定期巡回・随時対応型訪問介護看護(要介護1~5)】

要介護度 利用者負担(1割)(1月につき)
要介護1 訪問看護サービスを受ける場合:8267円
訪問看護サービスを受けない場合:5666円
要介護2 訪問看護サービスを受ける場合:1万2915円
訪問看護サービスを受けない場合:1万114円
要介護3 訪問看護サービスを受ける場合:1万9714円
訪問看護サービスを受けない場合:1万6793円
要介護4 訪問看護サービスを受ける場合:2万4302円
訪問看護サービスを受けない場合:2万1242円
要介護5 訪問看護サービスを受ける場合:2万9441円
訪問看護サービスを受けない場合:2万5690円

 
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者の心身の状況に応じて24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供してくれるサービスです。
 
訪問看護サービスの有無を選ぶことができ、要介護度に応じて自己負担額は異なります。
 
上記のように、在宅介護で利用できる介護保険制度のサービスは多くあります。介護者の負担を軽減するためにも、状況に応じて最適な介護保険のサービスを活用しましょう。
 

通所施設のサービス

【図表7:通所介護(デイサービス)(要介護1~5)】

要介護度 利用者負担(1割)(1回につき)
要介護1 645円
要介護2 761円
要介護3 883円
要介護4 1003円
要介護5 1124円

 
通所介護(デイサービス)は、デイサービスセンターなどに通い、日常生活上の支援や高齢者同士の交流を通じて社会活動に参加するサービスです。
 
要介護者が利用可能で、要介護度によって自己負担額は異なります。
 
【図表8:通所リハビリ(要支援1~要介護5)】

サービス費用の設定 利用者負担(1割)(1月につき)
共通的サービス 要支援1 1712円
共通的サービス 要支援2 3615円
運動器機能向上 225円
栄養改善 150円
口腔機能向上 150円

 

要介護度 利用者負担(1割)(1回につき)
要介護1 667円
要介護2 797円
要介護3 924円
要介護4 1076円
要介護5 1225円

 
通所リハビリとは、老人保健施設、病院、診療所などの施設に通い、日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けるサービスです。
 
要支援者は、生活機能を向上させるための「共通的サービス」に、「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能の向上」に関するサービスを組み合わせて利用できる点が特徴です。
 
【図表9:地域密着型通所介護(要介護1~5)】

要介護1 735円
要介護2 868円
要介護3 1006円
要介護4 1144円
要介護5 1281円

 
地域密着型通所介護とは、利用者が地域密着型通所介護の施設に通い、日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けるサービスです。
 
要介護者が利用可能で、要介護によって自己負担額は異なります。
 
【図表10:療養通所介護(要介護1~5)】

3時間以上6時間未満の場合 1007円
6時間以上8時間未満の場合 1511円

 
療養通所介護とは、常に看護師による観察を必要とする要介護者を対象としているサービスです。
 
利用者が療養通所介護の施設に通い、日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けることができます。
 
要介護度ではなく、1回あたりの利用時間によって自己負担額が異なります。
 
【図表11:認知症対応型通所介護(要支援1~要介護5)】

要支援・要介護度 利用者負担(1割)(1回につき)
要支援1 852円
要支援2 952円
要介護1 985円
要介護2 1092円
要介護3 1199円
要介護4 1307円
要介護5 1414円

 
認知症対応型通所介護は、認知症を発症している要支援者・要介護者を対象としているサービスです。
 
通所介護の施設に通い、日常生活上の支援や生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで受けることができます。
 
要支援・要介護度によって利用者負担額が異なります。
 
通所施設に通う介護保険のサービスを利用すれば、要支援者・要介護者が自立した生活を送るためのサポートを受けられます。また、介護者が自分の時間を確保し、介護の負担を軽減できるメリットも期待できるでしょう。
 
在宅で利用できるサービスと通所で利用できるサービスを組み合わせて、介護の悩みやストレスを抱え込まないことが大切です。
 

まとめ

今回は、要介護・要支援と診断された高齢者が、介護保険制度で利用できる公的な介護サービスについて紹介してきました。介護者の身体的・精神的・経済的負担を軽減するためにも、介護保険制度の仕組みやサービス内容について知っておくことは有意義なことです。
 
介護は大きな負担となるため、介護保険制度を活用しながら心身の健康を保ちつつ、家族全員が満足できる生活を送れるようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 介護保険制度の概要
厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 公表されている介護サービスについて
 
※2023/2/27 図表の表記の一部に誤りがあったため、修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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