更新日: 2023.03.03 セカンドライフ

40歳女性おひとりさま、貯蓄は「1200万」です。このまま1人で大丈夫でしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

40歳女性おひとりさま、貯蓄は「1200万」です。このまま1人で大丈夫でしょうか?
年金を受給できても、これからの日本ではそれだけでは暮らせないといわれています。老後に備え、働けるうちに可能な限りの預金を考えている人は多いのではないでしょうか。特に、単身者の場合は自分の年金だけが頼りになるため、なおさら不安かもしれません。
 
今回は、貯蓄が1200万円ある40歳の単身女性を例にあげ、老後の暮らしについて解説していきます。
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60歳定年とした場合いくらためられる?

仮に大卒で23歳から働き始めた場合、40歳までの17年間で1200万円貯蓄できたことになります。単純に計算すると「1200万円÷17年」で、1年あたりにためられる額は70万5882円です。60歳で定年退職すると仮定すれば、今後あと1411万7640円ためることができます。すると、60歳を迎えたときの合計貯蓄額は2610万円ほどです。
 
ただし、これは毎月の給与やボーナスから貯蓄した額で、退職金は含まれていません。同じ会社に定年まで勤務した場合で、この貯蓄額に退職金をプラスしてみましょう。厚生労働省が調査した「平成30年就労条件総合調査」を見ると、35年以上勤務した大卒者の平均退職金は2493万円です。
 
つまり、毎月の貯蓄に退職金を加えると、5103万円ほどの額になります。
 

単身者の平均生支出と厚生年金の平均受給額

厚生年金の受給開始年齢は、65歳です。総務省の2021年の家計調査報告によると、65歳以上の単身世帯の月平均消費支出は13万2476円です。令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況によると令和3年度末における厚生年金保険(第1号)の老齢年金平均年金月額は、老齢基礎年金の額を含めて14万6000円です。
 
こうして見ると、定年まで働いて年金を満額で納めていれば、老後は年金だけで生活することは可能だと考えることができます。
 
ただし、ここで紹介した家計支出は、できるだけ節約した最低水準の場合です。厚生労働省の「高齢者の生活実態」では、ゆとりのある老後の生活をするには、年平均453万6000円必要だとされています。1ヶ月あたりに換算すると、37万8000円です。年金受給額が14万6000円ですから、余裕を持って暮らすには23万円以上足りません。
 
この23万円を約5000万円の貯蓄から補填(ほてん)すると21年ほどで底をつきますが、86歳頃まではまかなえます。
 

実際には住まいや退職金の額などで変わってくる

紹介したデータはあくまで平均であり、実際は会社によって退職金の額は違います。また、住まいを賃貸にするか持ち家にするかでも変わってきますし、老後をどの地域で過ごすかでも生活にかかるお金には差が出ます。
 
老後の安定を考えるなら、早い段階で持ち家を所有するほうが住まいにかける費用を抑えられます。例えば、退職まで月額10万円の賃貸に住み続けた場合、37年間で4400万円以上かかります。
 
それなら、リノベーション物件など2000万円前後の手頃な住まいを購入するほうが節約できます。固定資産税はかかりますが、賃料を払うよりも安く収まるでしょう。月々の家賃がなくなれば、月30万円以内に抑えてもゆとりのある老後を送ることは可能です。
 

ペースを変えずに貯蓄を続けていけば1人での老後も特に心配はない


 
定年まで勤務すれば、相応の退職金が支給されるのが一般的です。ペースを落とすことなく貯蓄を続け、さらに退職金も入れば1人での老後も特に金銭的な心配することはないでしょう。
 
定年退職から厚生年金受給開始までの5年間は、再就職するなどして収入を得るようにすれば、生活費や年金保険の支払いで貯蓄を崩すこともありません。あとは、老後の生活水準をどう設定するかがポイントになってくるでしょう。
 

出典

厚生労働省 高齢者の生活実態
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査の概況
総務省統計局 家計調査報告家計収支編2021年(令和3年)平均結果の概要
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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