更新日: 2023.03.09 定年・退職

定年後に「退職金で投資」をしてみたい。そんな投資初心者におすすめの投資商品は?

定年後に「退職金で投資」をしてみたい。そんな投資初心者におすすめの投資商品は?
近年の投資ブームによって、若年層だけではなく高年齢層にも投資に興味を持たれる方が出てきているようです。その一方で、安易な気持ちで投資に手を出し退職金を溶かしてしまうという方もおります。
 
そこで、投資初心者が退職金で行う投資について考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

投資に絶対はない! うまい話はあり得ないと心得ること

まず初めに、投資において絶対はあり得ないと思ってください。そして、リスクを取ることなく楽してもうかるようなうまい話もあり得ないと思ってください。少しでも損をする可能性があるということに恐怖を覚えるのであれば、退職金を利用した投資は避ける方が無難です。
 
一方で、年金や老後の就労だけでは生活が不安だと感じていて、少しでも老後を楽にしたい、眠っている資産を有効活用したい、そのためには多少のリスクは覚悟し、一時的には損をしても長い目で見て堅実にコツコツと利益を積み重ね、最終的には小さくてもプラスになれば納得できる。そういった方であれば、十分に安全マージンを確保した上で退職金を使った投資を実行してもよいでしょう。
 
退職金はおそらく、多くの方にとって人生で一番まとまったお金が入る最後のタイミングです。これが老後の生活資金のアテだという方も少なくないでしょう。大げさかもしれませんが、退職金を使った投資を検討するなら「これがなくなったらもう後がない」と思うくらいの気持ちで慎重に考えるべきです。
 

普通預金・定期預金

ある意味、退職金の投資に最も向いているのは普通預金や定期預金です。
 
働いていたり、ほかに収入があったりすれば別ですが、少なくとも投資未経験者や初心者であれば、最初のうちは最低でも退職金の半分はリスクの低い普通預金ないし定期預金としておくべきです。
 

投資信託

退職金でいきなり個別の株式や通貨を購入するのはNGです。個別の株式はハイリスク・ハイリターンな商品です。
 
その点、投資信託はきっちりと銘柄を選びさえすれば、低い手数料で幅広い国や地域、業種の会社の株式や債券といった金融商品に投資できる商品です。個別の株式や通貨単体に投資する場合と異なり、ある会社やある地域、業界、通貨に暴騰や暴落があっても、他の要素が逆の動きをするので、リスクを小さくすることが可能です。
 
なお、実際に銀行の窓口で買える投資信託は分散が甘かったり、購入時の手数料が高かったりすることが多いです。投資信託を購入する際はSBI証券などのネット証券で、手数料が低く、リスク分散のされた商品を購入するべきです。
 
個別の銘柄名を1つ挙げるとするならば、1つの銘柄でほぼ全地域の株式に投資できる「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」がおすすめです。そして、長い目で投資するのであれば、つみたてNISAという非課税制度を通じて投資するのがおすすめです。
 

退職金で投資初心者がやってはいけない投資

はっきり申し上げると、投資初心者が退職金を使って投資すること自体あまりおすすめできません。
 
投資詐欺や老後破産、詐欺とまではいかないが金融機関に勧められるままに最適解ではない投資商品を購入してしまうリスクがあるからです。また、知識や経験のなさから、ネット証券で不必要な商品を購入してしまうおそれもあります。
 
その中でも特に注意をしてほしいのは下記のような投資です。これに該当する投資は極力避けるべきです。

・不動産
・個別株式
・暗号資産
・FX
・銀行員やファイナンシャルプランナー、保険の外交員は勧めるが、自身では理解のできない商品
・〇〇円なら損をしてもよいと考える金額を超えた損が出る可能性のある商品

 

定年後に投資をするなら預貯金や優良な投資信託を

基本的に投資初心者には、定年後の退職金で投資をすることはおすすめできません。もしするのであれば、普通預金や定期預金を中心とし、リスクの許容範囲内で、ネット証券で「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」などの低い手数料で分散投資が可能なものを選んでください。
 
よく分からないものや手数料が高いもの、分散が利かない投資商品、仕組みが理解できないもの、そしておいしそうな投資商品には手を出さないようにしてください。
 
投資について話題になることが多い現代ですが、あえて投資をしないというのも良い選択です。投資らしい投資をせず、普通預金や定期預金だけにするというのも、定年後においては、リスクとリターンを考えたバランスの良い選択肢の1つといえるでしょう。
 
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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