更新日: 2023.03.09 介護

親2人の介護にはいくら必要? 時期が重なる「多重介護」の負担軽減策ってある?

親2人の介護にはいくら必要? 時期が重なる「多重介護」の負担軽減策ってある?
親の介護を行う中で、親2人の介護が必要となる多重介護の問題に直面するケースもあるでしょう。介護費用はどのくらいかかるのか、介護費用の負担を軽減する方法はないのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
 
本記事では、多重介護とはどんな状態なのか、介護費用の平均金額や介護費用の負担軽減に役立つ制度について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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多重介護とは?

多重介護とは、その名のとおり複数の高齢者の介護を行っている状態を意味します。
 
株式会社ガネットが2019年、全国の介護経験者616人に対して行った「介護に関するアンケート調査」では、2人以上の介護経験者が22.7%と報告されており、5人に1人以上が多重介護を行っているという結果となりました。
 
また、同調査では介護者自身の健康面について、「負担を感じる」人が50.5%、「非常に負担を感じる」人が30.2%であることを伝えており、多重介護が介護をする人の生活に、大きな影響を与える深刻な問題であることが分かります。
 

介護費用の平均金額はどのくらい?

公益財団法人生命保険文化センターが発表した「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」では、介護に要した費用のうち、住宅の改修や介護用ベッド購入のために要した一時的な費用は平均74万円、1ヶ月あたりに支払う介護費用は平均8万3000円と報告しています。
 
例えば、多重介護によって両親の介護が5年間継続した場合、介護に要する費用総額は8万3000円×12ヶ月×5年間で498万円、10年間になると996万円です。これが両親2人になると、最低でも5年で498×2の996万円、10年で996×2の1992万円を超える費用を必要とします。
 

在宅介護なら親の年金で介護費用を用意できる

「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」では、在宅で介護を行った場合の平均月額費用を4万8000円、施設で介護(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設など)を行った場合の平均月額費用を12万2000円と報告しています。
 
老齢基礎年金を満額で受け取る場合、月額6万4816円(令和4年度)です。介護を行う場所で介護費用に違いがありますが、在宅介護であれば、親の年金だけで介護費用を用意できる可能性が高いです。
 
しかし、在宅介護が困難な状況であれば、施設介護を検討せざるを得なくなるでしょう。その際に、老齢基礎年金以外にも老齢厚生年金を受け取っていたり、十分な貯蓄がなかったりすると、介護者である子の収入や貯蓄から費用を用意することを余儀なくされます。
 

介護費用の負担軽減策に役立つ制度

親2人の介護費用を用意するのが困難なときには、子の生活に支障が出るほどの介護費用を子が負担したり、金融機関や消費者金融などから借金をしたりするのは避けたほうがよいでしょう。子の費用負担軽減のためにも、まず以下の制度を活用できないか検討してみてください。
 

●高額介護サービス費
●高額療養費制度

 
それぞれについて解説します。
 

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、介護サービスの利用者負担が一定の上限額を超えた場合に、介護保険から超過分が支給される制度です。高額介護サービス費を受給するには、市区町村へ申請を行いましょう。
 
負担上限月額は、所得区分に応じて個人は1万5000円、世帯は2万4600円〜最高14万100円となっています。ただし、以下に該当する費用は払い戻しの対象にならないので注意してください。
 

●特定の福祉用具の購入費用
●住宅改修にかかる費用
●介護施設における居住費や滞在費、食費
●日常生活に要した実費
●生活援助型配食サービスの負担など

 

高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った入院中の食事、差額ベッド代以外の医療費が1ヶ月の上限額を超えた場合に、超過分が支給される制度です。
 
加入者の年齢や所得で上限額が変動しますが、一定の条件に該当すれば負担を軽減できるでしょう。ただし、以下に該当する費用は払い戻しの対象に含まれません。
 

●入院時の食事代
●差額ベッド代
●レーシックやインプラントなどの保険適用外の医療費
●特定の福祉用具を購入するための費用
●住宅改修にかかる費用
●介護施設における居住費や滞在費、食費
●日常生活に要する実費
●生活援助型配食サービスの負担など

 

親の年金額や貯蓄を把握して、介護にかかる費用を準備しておこう

親2人を介護する多重介護によって、かかる介護費用は2倍になる場合もあります。また、在宅介護と施設介護のどちらを選ぶかによっても、かかる費用に違いが出てくるでしょう。
 
親が受け取る年金額や貯蓄から介護費用を用意できるのがベストですが、そうできない場合、子の収入や貯蓄を切り崩すことを考える前に活用できる制度はないか、確認してみましょう。
 

出典

株式会社ガネット 介護に関するアンケート調査(PR TIMES)

公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

厚生労働省 月々の負担の上限(高額介護サービス費の基準)が変わります

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

厚生労働省 令和3年8月利用分から高額介護サービス費の負担限度額が見直されます

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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