「65歳からは年金だけで暮らしたい!」いくら貯蓄があれば安心ですか?

配信日: 2023.03.11

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「65歳からは年金だけで暮らしたい!」いくら貯蓄があれば安心ですか?
老後は「できれば年金だけで暮らし、働きたくない」という人もいるのではないでしょうか? 総務省によると、65歳以上の高齢者の就業者数は18年連続で増加し、就業率は25.1%となっています。中でも65~69歳は初めて50%を超え、この世代の半分の人は就業しているのが現状です。
 
就業していなくてもお金は使いますので、基本的には年金や貯蓄で支出に対応していると思われますが、65歳から年金だけで暮らすには、実際にどれくらい貯蓄があればよいのでしょうか?
 
本記事では平均的な世帯を参考に、65歳以降に年金だけで暮らすのに必要な貯蓄額について考察しています。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後の生活にはどれくらいお金がかかるの?

まずは老後の生活にどれほどのお金が必要か見ていきましょう。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、60~69歳の2人以上世帯の平均消費支出は月額28万8312円で、70歳以上となると22万6383円となっています。
 
そして、65歳以上で再計算すると23万8299円とされています。仮に65歳から85歳まで生きて、毎年23万8299円が必要だとすると、トータルで5719万1760円が20年間の支出額です。
 

平均的な世帯で受け取れる年金額を見ていこう

続いて、もらえる年金額の平均を見ていきましょう。厚生労働省の「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」では、平均的な収入(賞与含む月額換算の給与が43.9万円)で40年間就業した場合に夫婦で受け取り始める年金は月額で22万4482円とされています。
 
注意したいのは、この月額は額面であって、ここから各種税金の支払いが発生する点です。条件によって負担額は変わりますが、ざっくりと額面の1割5分が引かれるとすると、月額で残るお金は19万810円となります。
 
この金額を支出と同様に20年間受け取るとすると、4579万4400円となります。
 

結論:年金だけで暮らすには最低1140万円の貯蓄が必要

平均で見た際の65歳から85歳までのトータルでの支出が約5719万円なのに対し、年金額が約4579万円ですので、その差は約1140万円です。つまり、あまりぜいたくせずに、平均的な支出と年金額の場合、約1140万円の貯蓄があれば、年金だけで暮らせると言えます。
 
とはいえ、今回はあくまで基準を「平均」と定めているため、人によっては病気やけがをした際の医療費や交際費、子や孫への援助など、必要な金額が増えることも少なくないでしょう。
 
「毎年旅行に行きたい」、「趣味にお金をかけたい」などの場合も、もちろん必要金額は増えます。また、人は何歳まで生きるかは誰にも分かりませんので、長生きすればその分お金は必要です。
 
そういったさまざまな事情を考慮すると、平均的な支出と年金額があったとしても、「1140万円貯金があれば安心」と言い切ることは難しいでしょう。
 

個人個人で生活に必要な金額と、年金額を見てみよう

今回は条件を簡略化し、また平均的な場合を見てきました。ただ、支出も受け取れる年金額も個人によって異なります。そのため、実際にどれだけ貯蓄があれば安心なのかは、各自で計算する必要があります。
 
支出については、現在をベースとしつつ、老後にどのような生活をしたいかを具体的に思い浮かべ、計算してみましょう。年金については、ねんきん定期便や、公的年金シミュレーターなどを活用すれば、実際に受け取れる金額をある程度把握できます。
 
年金を受け取り始めてから「こんなはずではなかった」と後悔しないように、しっかり準備しておきましょう。
 

出典

総務省統計局 統計トピックスNo.132 統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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