「生活が苦しい」高齢者は50.4%!?「老後貧困」を避けるために現役時代から意識すべきこととは?

配信日: 2023.03.29

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「生活が苦しい」高齢者は50.4%!?「老後貧困」を避けるために現役時代から意識すべきこととは?
「老後2000万円問題」がクローズアップされ、多くの人が老後の生活に不安を抱いています。もし、老後に必要なお金が用意できなければ「老後貧困」になってしまうのでしょうか。人生の終盤を、できるかぎり不自由なく過ごしたいと考えるのは当然のことです。
 
ここでは、老後貧困の実情と、それを避けるために現役時代から意識しておきたいことなどについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後貧困の実情とは

現役世代は「老後貧困」を避けたいと考えていても、その実態を把握している人はおそらく多くはないでしょう。厚生労働省の公表している「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、生活意識について、高齢者世帯の21.3%が「大変苦しい」と答えています。
 
「やや苦しい」と答えた高齢者世帯も29.1%おり、全体の50.4%、つまり、半分以上が「苦しい」と感じているのが実情です。「大変苦しい」と回答した割合は2019年の調査から1.6ポイント上昇しています。老後貧困といえる高齢者世帯は決して少なくなく、多くの人にとって他人事ではないことがわかるでしょう。
 

65歳以上の世帯の貯蓄はいくら?

生活が苦しいと感じるかは、もちろん、その人たちの生活水準にも関係します。つづいては、総務省統計局の公表している「家計調査報告」から、貯蓄の状況を見ましょう。これによると、世帯主が65歳以上の世帯のうち、貯蓄保有世帯の貯蓄現在高の平均値は2376万円となっています。同世帯の約3分の1の貯蓄現在高が2500万円以上です。
 
また、同世帯の貯蓄現在高の中央値は1588万円となっています。多くの資産を保有している世帯が平均を押し上げているため、中央値である1588万円が現在の高齢者世帯の貯蓄現在高に近い数字とみてよいでしょう。
 

・8%以上の世帯が100万円未満

上記の数字だけをみると、老後貧困の世帯はさほど多くはないように思われます。しかし、同調査報告によれば、世帯主が65歳以上の世帯のうち、貯蓄現在高が100万円未満の世帯が8.3%もいることがわかります。また、貯蓄保有世帯の約3分の1が貯蓄現在高が2500万円以上であるのに対し、同世帯の3分の1以上が貯蓄現在高が1000万円未満の世帯です。
 
生活水準にもよりますが、裕福な暮らしをしている高齢者世帯は少数派であり、少なからず老後貧困にあてはまる世帯もあるのが現状です。
 

現役時代から意識すべきこと

ここでは、老後貧困を避けるために現役時代から意識して、行動するべきことを紹介します。
 

・支出の見直しと貯蓄

老後貧困を避けるためには、貯蓄が不可欠です。そのために、まずは支出を見直しましょう。日々のお金の使い方を改善し、少しずつでも貯蓄へと回すことが老後の余裕にもつながります。家計簿をつけ、詳細な支出の把握に努めるのも1つの有効な方法です。
 

・投資などの資産運用

余剰資金を使い投資などの資産運用を行うのも、老後貧困を避けるためには検討したいことです。NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用することで、よりお得に資産運用ができる可能性があります。
 
また、資産運用は時間と複利を味方につけ、より大きな利益を得ようとする考え方や手法が基本です。ある程度の勉強は必要ですが、現役時代から始めておくと、老後には、単に預貯金をしておくよりも資産を増やせる可能性があるでしょう。
 

・本業以外の収入源の確保

副業や事業を始め、本業以外の収入源を確保しておくことも重要です。軌道にのれば資産運用へと回せる金額も増やせます。また、定年退職後の収入源になる可能性もあり、本業による収入がなくなっても、安心して老後を過ごせるようになるでしょう。
 

老後貧困は勉強と行動で回避しよう

多くの人が資産を保有したまま老後を迎えますが、しかし、厚生労働省などの調査によると、生活が苦しいと感じている高齢者世帯は決して少なくありません。
 
老後貧困を避けるためには、現役時代からの意識改革と勉強、そして、行動が必要です。支出の見直しや投資などの資産運用、本業以外の収入源の確保などを積極的に行うことで、老後貧困を避ける可能性を高めることができるでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の場合)
厚生労働省 2021年 国民生活基礎調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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