更新日: 2023.04.07 セカンドライフ

「年金だけじゃ生活できない!」今すぐできる老後の対策3ステップ

執筆者 : 堀江佳久

「年金だけじゃ生活できない!」今すぐできる老後の対策3ステップ
数年前に老後2000万円問題が脚光を浴びましたが、公的年金だけで生活するのは難しいかもしれません。
 
もちろん、公的年金の範囲内で節約生活をすれば可能ですが、自分が「こうしたい」という生活に少しでも近づけながら老後を送りたいものです。ご自身が思い描く生活をするための老後対策について、3ステップで解説します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

ステップ1:将来もらえる年金額を把握する

まず、将来もらえる年金額を把握することから始めましょう。自分がもらえる公的年金は、日本年金機構から送付されてくる「ねんきん定期便」で確認できます。
 
また、「ねんきんネット」に登録すれば、自宅のパソコンやスマホで、ご自身の最新の年金情報を24時間いつでも確認できます。企業年金については、それぞれの会社で制度が異なりますので、会社の担当部署に確認し、自分が将来いくらくらいもらえるかを確認しましょう。
 
加えて、個人型確定拠出年金(iDeCo)や個人年金保険など個人で加入している年金についても、契約している金融機関に将来受け取れる金額がいくらになるか確認してみましょう。
 

ステップ2:老後の生活費を把握する

次に、老後に必要な生活費がいくらになるかを算出しましょう。そのためには、どういった生活をしたいかを考えた上で必要な資金を算出する必要がありますが、世間の方々はどのくらいの生活費をかけているかは参考になります。
 
参考データとして、2022年10月6日、生命保険文化センターより公表された、「2022(令和4)年度『生活保障に関する調査』(速報版)」をみてみましょう。調査結果によれば、夫婦2人の老後の最低日常生活費は月額23.2万円、ゆとりある老後生活費は月額37.9万円となっています。
 

ステップ3:老後の対策をする

もらえる年金額とご自身の老後生活費とのギャップが明確になったら、不足分を補うべく対策をする必要があります。
 

(1)年金の範囲内で生活するようにする

老後まで時間の限られている方は、年金や老後資金を増やすことがなかなか難しいため、もらえる年金の範囲内で暮らせるように家計のスリム化を行いましょう。もちろん、老後まで時間に余裕のある人も、日頃から無駄な支出がないかを見直すことは大切です。
 
家計のスリム化は、まずは節約効果の高い、住居費や保険料、通信費といった固定費から削減しましょう。その次に、食費や日用品費、交際費などの変動費の見直しをするのが基本ですので、できるところからやってみましょう。
 

(2)老後資金を増やす

不足分を補うために、老後資金を増やすことを検討しましょう。具体的には、節税効果の高いiDeCo (イデコ:個人型確定拠出年金)やNISAを活用するのが王道です。さらに個人年金保険を活用すると、生命保険料控除の対象になりますので、一定程度の節税効果が期待できます。
 

(3)配偶者に厚生年金に加入してもらう

厚生年金に加入していない配偶者の方がいれば、働き方を変えて厚生年金に加入し、家計に入る総金額を増やすなどの方法もあります。特に法律改正に伴い、2回にわたり(令和4年10月、令和6年10月)、短時間労働者の厚生年金保険の適用範囲が拡大されます。
 
最終的には、被保険者の総数が50人(常時)を超える事業所に対しても厚生年金保険が適用されるなど、多くの働く方が適用を受けやすくなっていきますので、こういった変化をチャンスとする方法も検討してみてはいかがでしょうか。
 

(4)働く

健康で働くことができるなら、最もリスクの低い老後資金の調達方法は、継続して働くことです。
 
もしも老後資金が大幅に不足する場合には、定年後も厚生年金に加入しながらフルタイムで働いて、老後資金作りと年金額のアップを図ることができます。もちろん、パートやアルバイトで、時間に余裕をもって働く選択肢もあります。
 
また、働くことは金銭面での効果があるだけでなく、規律ある生活ができる、社会との接点が持てるといったメリットもあります。ご自身のライフプランに合わせて検討するとよいでしょう。
 
以上、3つの老後対策をご紹介しました。ご自身が「こうしたい」と思う老後に向けて、ご自身に合った方法で対策していきましょう。
 

出典

日本年金機構 ねんきんネット

公益財団法人生命保険文化センター 「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」まとまる」(2022年10月6日)
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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