更新日: 2023.04.12 定年・退職

【定年後の確定申告】必要? 不要? 判断基準も合わせて解説します!

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【定年後の確定申告】必要? 不要? 判断基準も合わせて解説します!
「会社員時代は確定申告をしなくてよかったけど、定年後はどうすればよいのだろう?」こんな疑問を抱いてはいないでしょうか?
 
本記事では、定年後の確定申告の必要性と判断基準を紹介します。定年退職の予定があり確定申告に不安を抱えている方は、本記事でご自身が確定申告をすべきか確認しておきましょう。
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年金受給者で確定申告が必要になるケース

結論から述べると、定年後の確定申告は原則不要です。公的年金等を受給している場合には原則として確定申告が不要、という理由によるものですが、特定の条件を満たしている場合には確定申告をする必要があります。
 
ここでは、公的年金受給者でも確定申告を行う必要があるケースをご紹介します。
 

公的年金等の収入額の合計が「400万円」を超える

公的年金等の収入額の合計が400万円を超える場合は、確定申告を行う必要があります。公的年金とは国民年金法、厚生年金法、公務員等の共済組合法などの規定による年金のことを指します。
 

公的年金等を除く所得金額が20万円を超える

公的年金等を除いた際の所得金額が20万円を超える場合も、確定申告を行う必要があります。各所得の計算方法は図表1のとおりですので、こちらを参照して所得金額が20万円を超えないか確認しましょう。
 
【図表1】

所得の種類 所得の内容 所得金額の計算方法
給与所得 給与・賞与・パート収入など 給与等の収入金額-給与所得控除額
雑所得
(公的年金等以外)
個人年金、原稿料など 総収入金額-必要経費
配当所得 株式や出資の配当など 収入金額-株式などの元本取得に要した負債の利子
一時所得 生命保険の満期返戻金など { 総収入金額-収入を得るために直接要した金額 - 特別控除額(最高50万円) } × 1/2

国税庁 公的年金等を受給されている方へを基に作成
 

各種控除を受けたい場合は確定申告を行う

ここまで解説した条件に当てはまらない場合には確定申告は不要ですが、各種所得控除を受けたい場合には確定申告を行う必要があります。医療費控除、雑損控除、寄付金控除、各種保険料控除などは、確定申告を行わなければ控除を受けることができません。
 
上記控除をはじめとした各種控除を受けたい場合には、本来確定申告が不要な場合でも、確定申告を行うことで所得税や住民税の節税につながります。
 

退職金を受け取る場合は確定申告不要

定年退職をする際に退職金を受け取る場合は、原則として確定申告が不要です。退職所得の受給に関する申告書を提出の上、手続きを行いましょう。申告書を提出しないと退職所得控除による優遇を受けることができず、20.42%の税率で源泉徴収が行われます。
 
提出し損ねてしまった場合には、払いすぎた税金の還付を受けるために確定申告を行う必要が出てくるため、注意しましょう。
 

年末調整を受けていない場合は確定申告が必要

年の途中で退職した際など、年末調整を受けられていない場合には、別途、確定申告が必要になります。会社員の所得税は源泉徴収されていますが、源泉徴収額は概算で算出されるため、正確な値ではありません。
 
余分に納めすぎた所得税は、年末調整によって還付金として返ってきますが、年末調整を受けなければ清算を行うことはできません。退職した翌年から数えて5年以内であれば、確定申告を行って還付が受けられます。
 

定年後の確定申告は必要に応じて行おう!

今回は、定年後の確定申告の必要性と判断基準をご紹介しました。
 
定年後は基本的に確定申告は不要ですが、ご自身の状況によっては必要になるケースがあります。加えて、義務ではないものの、所得控除や還付を受けたい場合には、確定申告を行う必要があります。
 
確定申告が原則不要な定年後であっても、必要に応じて確定申告を有効活用しましょう。
 

出典

国税庁 公的年金等を受給されている方へ
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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