更新日: 2023.04.21 セカンドライフ
老後に必要なお金は「4560万円」!? 60歳から85歳までに必要な費用とは?
本記事では、貯金がどのくらいあれば安心できるのかも含めて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後に必要なお金はいくら?
人生100年時代ともいわれて、これからの時代も「長生きする可能性が高い」と考えられます。厚生労働省が公表している「令和3年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.47歳、女性は87.57歳です。
85歳まで生きると仮定しても、60歳からは25年、65歳からは20年あります。当然ながら、その間も生活していく必要があります。実際生活費はどのくらいかかるのでしょうか。
総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、2021年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は月額22万4436円、65歳以上の単身無職世帯は月額13万2476円となっています。
60歳代で独身1人暮らしの場合は、毎月約13万円の支出が発生します。ただ、これはあくまで最低限の生活費なので、実際はさらに増えると考えられます。
・家具や家電製品の買い替え
・思わぬ病気やけがによる通院や入院
・親の介護
このような「想定外の支出」は常に発生する可能性があるからです。
国内や海外の旅行など趣味や娯楽を楽しみたい場合は、それらにかかるお金も準備しなければなりません。ぜいたくをしなくても不自由なく老後の生活を楽しもうと思えば、毎月20万円から30万円くらいかかるといっても過言ではありません。
65歳以降に受け取る年金額
支出に対して老後に受け取る年金はどのくらいでしょうか。
2023年4月分からの老齢基礎年金は月額6万6250円、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な老齢厚生年金は月額22万4482円です。会社員の場合は、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受け取ることができるため、国民年金のみの自営業者などに比べると金額は多くなります。
仕事の種類、年金保険料を満額支払っているか、免除や納付猶予された期間、未納期間の有無によって変わりますが、独身1人暮らしの場合の年金収入は月額6万円から10万円台になる可能性が高いと考えられます。
年金と貯金だけでは足りない可能性が高い
今回は話を分かりやすくするために、下記の内容と仮定します。
・年金は老齢基礎年金のみを満額受け取る
・生活費は毎月20万円かかる
・85歳まで生きる
その場合、収支は毎月約14万円の赤字です。年金は原則65歳から受け取ることができるため、繰上げ支給の申請をしなければ60歳から5年間は全く収入がない状態です。
このような状況で生活費を年金と貯金でやりくりしようと思ったら、どのくらい必要でしょうか。
60歳から65歳までは収入ゼロのため毎月20万円の赤字です。5年間合計で1200万円かかります。65歳以降は毎月14万円の赤字です。85歳まで生きる場合、20年間で3360万円かかります。60歳から85歳まで合計すると「約4560万円」です。
これはあくまで単純計算なので、臨時や想定外の支出、物価の変動等を考えると、実際はさらに金額が増えることもあります。老後年金だけで生活するためには5000万円近くの貯金が必要になるかもしれません。
まとめ
今回は、60歳独身1人暮らしの人が老後に年金だけで生活できるのか、貯金はどのくらい必要なのか、解説しました。
必要な貯金額を算出しても、ほとんど現実的ではなく、事実上「年金だけでは到底生活できない」ことが分かります。老後もできる限り働いて、年金に依存しない形をとる必要があるといえるでしょう。
出典
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況 1.主な年齢の平均余命
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)家計の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部