更新日: 2023.05.02 定年・退職

退職金を「2000万円」受け取ったら税金はいくらかかる?「勤続25年」のケースで検証

退職金を「2000万円」受け取ったら税金はいくらかかる?「勤続25年」のケースで検証
これまで25年働き続けて定年退職を迎えることになりました。退職金は2000万円受け取る予定です。この場合自分の手元に残るお金はどのくらいなのでしょうか。本記事では退職金に税金はどのくらいかかるのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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退職金にも税金が発生する

定年などで仕事を辞めるときに会社から受け取ることが多い退職金は、勤続年数が長くなるほど金額が増える傾向にあります。
 
場合によっては1000万円や2000万円以上といった大金を手にするケースもあり「これまで一生懸命頑張ったご褒美だから自由に使っていいよね」と考える人も多いかもしれません。
 
ただし、会社から受け取る退職金は丸々全て自由に使えるわけではありません。所得税や住民税が発生するからです。
 
退職金にかかる税金は通称「2分の1課税」と呼ばれるとおり、税制上優遇されています。退職金は従業員が長期間勤務して積み上げた対価が一挙に払われる特徴があることから、税負担が重くならないように配慮されていると考えられています。
 
ただし、税制優遇を受けるためには事前に手続きをする必要があります。退職金の支払を受けるときまでに「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者(勤務先)に必ず提出しましょう。
 
この手続きをしなければ退職金の収入金額から一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されるので注意してください。
 

退職金にかかる税金の計算方法

退職金にかかる所得税や住民税はどのように計算されるのでしょうか。勤続年数は25年、受け取る退職金は2000万円としてシミュレーションしてみましょう。
 
所得税を計算するとき、まずは課税の基準となる「課税退職所得金額」を求めます。課税退職所得金額は以下のように計算されます。
 
課税退職所得金額=(退職金−退職所得控除額)×1/2
 
退職所得控除額は勤続年数によって計算式が異なります。


・勤続年数20年以下:40万円×勤続年数
・勤続年数20年以上:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

今回は勤続年数25年のため「800万円+70万円×(25年-20年)=1150万円です。これを課税退職所得金額の計算式に当てはめると「(2000万円-1150万円)×1/2=425万円」となります。
 
課税退職所得金額が決まると、これをもとに所得税を計算します。国税庁が公開している「所得税の速算表」によると、所得425万円の場合「税率は20%、控除額は42万7500円」です。所得税額の計算式に当てはめると「425万円×20%-42万7500円=42万2500円」です。
 
所得税及び復興特別所得税の源泉徴収額は「所得税額+基準所得税率×2.1%」で求められるため、今回の場合は「42万2500円+42万2500円×2.1%=約43万1372円」となります。
 
住民税は「課税退職所得金額×10%」で求められるので、今回の場合は42万5000円です。住民税は前年1年間の所得をもとに金額が決まります。決まった金額を6月から翌年5月までの期間で月割で徴収される仕組みです。ただし、例えば3月末に定年退職する場合、その年の4月と5月分の住民税を給料から天引きすることができません。
 
退職金にかかる所得税と住民税にあわせて、その年の4月と5月分の住民税も退職金が支給されるときにまとめて天引きされるので注意しましょう。以上から今回の場合は所得税、住民税は次のとおりです。


・所得税:約43万1372円
・住民税:42万5000円

合計約85万6372円が課税されることになり、手元に残るのは約1914万3628円です。
 

まとめ

今回は勤続25年の人が退職して退職金2000万円を受け取ったら税金はいくら発生するのか解説しました。
 
退職金の税制優遇を受けるには事前に必ず「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出する必要があります。提出がない場合は退職金の収入金額から一律20.42%の所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されますが、受給者本人が確定申告を行うことで税額の精算を行い、必要に応じて還付を受けられます。
 
該当する場合は確定申告を忘れないようにしましょう。住民税を納めすぎた場合は自治体に還付請求を行ってください。
 

出典

国税庁 退職金と税
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
国税庁 No.2260 所得税の税率
人事院 退職手当制度の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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