更新日: 2023.05.11 その他老後

老後は「賃貸物件」を借りにくい? スムーズに借りるための「3つのコツ」を解説

執筆者 : 新川優香

老後は「賃貸物件」を借りにくい? スムーズに借りるための「3つのコツ」を解説
持ち家に暮らしている人が子どもの独立や定年退職をきっかけに、賃貸物件への住み替えを検討することが少なくありません。しかし、高齢者の賃貸契約は、60歳代に差しかかると年齢などを理由に敬遠されてしまうことが多いのも実情です。
 
本記事では、老後に賃貸物件が借りにくい理由を紹介した上で、スムーズに借りるためのコツを3つ解説します。
新川優香

執筆者:新川優香(あらかわ ゆうか)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

老後に賃貸物件を借りにくい理由

賃貸物件に入居する際は、大家や管理会社による入居審査に通らなければなりません。入居審査でチェックされる項目について知ることで、老後に賃貸物件を借りにくい理由が見えてきます。
 

健康面の不安

賃貸物件を貸す大家の立場から考えると、高齢者は急な入院で連絡が取れなくなったり、孤独死によって建物の価値を下げたりする恐れがあるため、それらのリスクを負う覚悟が必要です。また、加齢により認知症の発症リスクが高まるため、火の不始末や水の出しっ放しなどのトラブルを引き起こす可能性も無視できません。
 

経済面の不安

「毎月の家賃を継続して払ってもらえるのか」も大家の気になるポイントです。一般的に60~65歳で定年退職するため、老後の収入源は年金と貯蓄が中心になります。
 
そのため、収入が少ない傾向にある高齢者は家賃の支払い能力が低いとみなされ、大家から敬遠されてしまうわけです。健康状態が悪化すれば、医療費や介護費などの負担もかさむため、経済面に不安を感じるのも無理はありません。
 

保証人がいない

賃貸物件のほとんどが、保証人を立てることを入居の条件としています。しかし、高齢者には若い世代と違って保証人がいない場合があります。
 
保証人とは、家賃滞納などのリスクに備えて契約者の代わりに支払う義務を負う人のことで、配偶者や家族が対象です。そのため、保証人を親族のみに限定した物件を契約するのは難しいでしょう。
 

老後でも賃貸物件を借りやすくする3つのコツ

老後に賃貸物件を契約するのは難しいことですが、不可能ではありません。前述した借りにくい理由をカバーすることで、比較的契約しやすくなります。ここからは、賃貸物件を借りやすくするための3つのコツを紹介します。
 

身内に協力してもらう

家族がいる場合は、家族の近隣の賃貸物件を探すことをおすすめします。もし体調を崩したときに、対応できる人がいることをアピールでき、大家側の安心材料にもなるためです。また、保証人や緊急連絡先になってもらうことで、賃貸物件の審査に通りやすくなります。
 

家賃保証会社を利用する

頼れる身内がいない場合は、保証会社を利用しましょう。保証会社が保証人としての役割を果たすため、身内に頼らなくても賃貸物件を借りられることがあります。
 
ただし、保証会社を利用するには収入や年齢を含めた審査に通過する必要があり、健康面で不安がある、緊急連絡先がないなどの事情によっては、審査に落ちる可能性もあることに留意しましょう。
 

高齢者歓迎の賃貸物件を探す

賃貸物件の中には空室を埋めるため、高齢者の入居を歓迎しているところもあります。物件は限られてきますが、収入面などに不安がある場合は、始めから高齢者歓迎の物件に絞って探すのも1つの方法です。
 

老後にも借りられる賃貸物件はある

老後に賃貸物件を借りる場合は、大家や管理会社など貸す側(がわ)の判断次第になるため、容易ではありません。そのため、老後に賃貸物件へ住み替えたいと考えている人には不安が大きいと思います。
 
しかし、身内に協力してもらったり、高齢者歓迎の物件に絞って探したりすれば、老後でも借りられる機会はあります。1人で物件探しを行うのが難しい場合は、不動産会社に相談してみましょう。
 
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士
 

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