更新日: 2023.05.16 セカンドライフ

シルバー人材センターで働く人は要注意! 年金が停止になったり確定申告が必要な条件とは?

シルバー人材センターで働く人は要注意! 年金が停止になったり確定申告が必要な条件とは?
令和元年の内閣府の調査によると、60歳以降で働いている人は、男性では60~64歳が85.8%、65~69歳で60.1%、70~74歳で41.7%となっています。女性では、60~64歳が62.6%、65~69歳で38.0%、70~74歳で35.5%となっており、多くの人が60歳以降も働いていることがわかります。
 
働く理由は、男女を合わせた全体のデータでは、「収入が欲しいから」(45.4%)が最も多く、次いで「働くのは体によいから、老化を防ぐから」(23.5%)、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから」(21.9%)の順となっています。
 
収入を増やすために働く高齢者が多いのが実態ですが、実は働きすぎると年金が一部もしくは全額が支給停止になることがあります。この仕組みを在職老齢年金といいます。
 
今回は、この年金制度について解説します。また、確定申告が必要な条件についても併せて確認します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、60歳以上で就労し、一定の収入がある老齢厚生年金受給者を対象に、その方が受給している老齢厚生年金の一部または全額の支給を停止する仕組みです。つまり、年金をもらっている人が働くと、その収入額に応じて年金が減額もしくは、全額支給されなくなる制度です。
 
では、どれくらい稼ぐと年金が減るのか、次項で見ていきましょう。
 

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どれくらい減額されるのか?

基本月額(※1)+総報酬月額相当額(※2)の合計が、48万円を超える場合には減額され、48万円以下であれば年金の減額はありません。
 

(1)在職老齢年金の計算方法

基本月額と総報酬月額相当額との合計が48万円を超える場合は、次の式で計算されます。
 

減額される年金額=(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2
 
在職老齢年金による調整後の年金支給月額=基本月額-減額される年金額

 

(2)具体的な例

1. その月の標準報酬月額が20万円、その月以前1年間の標準賞与額の合計が120万円、基本月額が15万円の場合。
 
基本月額+総報酬月額相当額=15万円+(20万円+(120万円÷12))
                   =45万円

 
となり、48万円以下のため年金は減額されません。
 
2. その月の標準報酬月額が30万円、その月以前1年間の標準賞与額の合計が120万円、基本月額が15万円の場合。
 
基本月額+総報酬月額相当額=15万円+(30万円+(120万円÷12))
                   =55万円

 
となり、48万円を超えるので、下記のとおり減額されます。
 
減額される年金額=(55万円-48万円)÷2=3.5万円
 
したがって、減額後に支給される年金は、以下のとおりです。
 
在職老齢年金による調整後の年金支給月額 =15万円-3.5万円=11.5万円
 

確定申告が必要な要件とは?

<確定申告が必要な要件>

次の(1)(2)のいずれにも該当する方は、確定申告をする必要がありません。
 

(1) 公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
(2) 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※3)が20万円以下

 
したがって、源泉徴収の対象となる公的年金等の収入金額の合計額が400万円を超える場合、もしくは400万円を超えないとしても、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円を超える場合には、確定申告を行う必要があります。
 

<確定申告不要対象者でも申告必要な場合>

(1)上記の確定申告不要に該当する方でも、次のような場合には確定申告をする必要があります。詳しくは、お住まいの市区町村に確認しましょう。
 

1. 所得税の還付を受ける場合
  A. マイホームを住宅ローンなどで取得した場合
  B. 一定額以上の医療費を支払った場合
  C. 災害や盗難にあった場合
 
2. 住民税の申告が必要な場合
  A. 公的年金などに係る雑所得のみがあり、「公的年金などの源泉徴収票」に記載されている控除(社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除、基礎控除等)以外の各種控除(※4)の適用を受ける場合
 
  B. 公的年金などに係る雑所得以外の所得がある場合(※3)

 
ご自身がどのケースに該当するのか確認し、確定申告が必要な場合は忘れずに手続きしましょう。
 
(※1)加給年金を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)の月額
(※2)その月の標準報酬月額+(その月以前1年間の標準賞与額の合計÷12)
(※3)生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金、給与所得、
生命保険の満期返戻金など
(※4)生命保険料控除や損害保険料控除、医療費控除など
 

出典

内閣府 第1章 高齢化の状況(第3節 1-2) 第3節 <特集>高齢者の経済生活に関する意識(2) 2 就業の状況

厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方] 第10 在職老齢年金・在職定時改定

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

政府広報オンライン ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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