将来や老後に対し、みんなどんなことに不安を感じている? 対策を考えてみよう!

配信日: 2023.05.24

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将来や老後に対し、みんなどんなことに不安を感じている? 対策を考えてみよう!
みなさんは、将来や老後に対してどのようなことに不安を感じているのでしょうか。不安に思うことを具体化して、将来への備えについて考えてみましょう。

篠原まなみ

執筆者:篠原まなみ(しのはら まなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

長生きリスク

日本人の平均余命は、2022年は、老衰や新型コロナウイルスの影響もあり、前年よりも少し短くはなりましたが、それでも男性81.47歳、女性87.57歳と1955年当時の男性63.6歳、女性67.75歳と比較するとかなり長生きになりました※1。
 
医学が発達し、栄養状態がよくなったことで長生きができるようになったのは喜ばしいことですが、それもお金の不安がなく、健康で生きがいを感じる何かがあればということではないでしょうか。多くの人が老後の不安として挙げている健康とお金についてみていきましょう。
 

健康面での不安

内閣府の2022年度版高齢者白書によると、2019年の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は、男性72.68歳、女性75.38歳となっており、男女ともに平均余命から考えると10年程度、健康面の問題をかかえて過ごすことになります。
 
65歳以上の人の死因別死亡率を見ると、がんがもっとも多く、心疾患(高血性を除く)、老衰と続きます。65~74歳の要支援、要介護認定を受けた人の割合は、それぞれ1.4%、2.9%であるのに対して、75歳以上では、それぞれ8.8%、23.1%と大きく上昇します。
 
要介護者(総数)について介護が必要となった主な原因についてみると、認知症が、18.1%と最も多く、次いで脳血管疾患(脳卒中)が15.0%、高齢による衰弱が13.3%、骨折・転倒が13.0%と続きます。男女別にみると、男性は、脳血管疾患(脳卒中)が24.5%、女性は、認知症が、19.9%と最も多くなっています※2。
 
病気などは、遺伝によるものなどは、自分ではどうしようもありませんが、適度な運動をする、バランスのとれた食生活を心がける、たばこをやめる(本数を減らす)、飲酒をほどほどにする、ストレスを発散する等、なるべく長く健康寿命を保てるよう自分でも心がけましょう。
 

経済面での不安

生命保険文化センターの2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」によると、老後の生活に不安がある人は82.2%、不安がない人は、15.9%と8割以上の人が不安をかかえているという結果になりました。
 
不安の内容としては、「公的年金だけでは不十分」が79.4%と最も高く、「日常生活に支障が出る」(57.3%)、「自助努力による準備が不足する」(36.3%)、「退職金や企業年金だけでは不十分」 (31.4%)、と続きます※3。
 
それでは、実際に老後、収入に対して支出は何%になるのでしょうか。
 
65歳以上の夫婦のみの無職世帯を見てみると、実収入(年金等)は23万6576円で、そのうち非消費支出(税・社会保険等)を差し引いた可処分所得(自分で自由に使えるお金)は20万5911円です。それに対して消費支出は22万4436円で、平均消費性向(消費支出÷可処分所得)は109.0%となります。
 
一方、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)についてみると、実収入は13万5345円で可処分所得は12万3074円となり、消費支出は13万2476円です。平均消費性向は107.6%です。消費支出には、食料品にかかる費用が全体の29.3%を占め、他には交通・通信費、交際費、光熱費・水道費等があります※4。
 
日々の生活にかかる費用としての消費支出に加えて、老後のイベント費用として、住み替え、自宅のリフォーム、車の買い替え、旅行、学び直しの費用等がかかります。また、持ち家がない場合は家賃もかかります。高齢になればなるほど、医療費や介護費もかかってきますので、そのための備えも必要です。
 
収支で足りない分は、退職金を取り崩していくことになりますが、経済面で不安がある人は、働けるうちはなるべく長く働き、年金の繰り下げ受給を利用するなどしてもらえる年金額を増やしましょう。また税制面でのメリットのあるiDeCoやNISAで資産運用することも考えてみましょう。
 

まとめ

将来や老後の不安として健康とお金の他に孤独が挙げられます。近年は、一生涯結婚しない人や結婚していても離婚をしたり、配偶者に先立たれたりする人が増えています。誰とも話さないでいたり外に出なくなったりすると、認知機能や体の衰えにつながります。ストレスにならない程度の緩い人間関係を日ごろから築いておくとよいでしょう。
 
また、お金にはならなくてもボランティア活動などに参加をすることも社会とのつながりや生きがいにもつながり、ひいては健康面にも良い影響を与えるかもしれません。検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

(※1)厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
(※2)内閣府 令和4年版高齢社会白書(全体版) 2 健康・福祉 第1章 高齢化の状況(第2節 2)
(※3)生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査 第III章 老後保障
(※4)総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) II総世帯及び単身世帯の家計収支
 
執筆者:篠原まなみ
AFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者

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