更新日: 2023.05.26 定年・退職
年金受給前の60~64歳が「もらえるお金」の制度は3つ! 自分が対象か確認しよう!
本記事では、お金がもらえる主な制度3つについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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どんな制度がある?
60歳から64歳を対象にお金を受け取れる制度には、働き方などによって対象から外されて減額になることもあるので、自分が制度対象になるのかを知っておくことが大切です。
大きく分けて、働いてきたことへのお金と、定年後も働く人がもらえるお金があります。
●働いてきたことへのお金:退職金
●定年後も働く人へのお金:高年齢雇用継続給付、失業給付(基本手当)
それぞれの制度の特徴は?
それぞれの制度の主な特徴を解説します。
(1)退職金
退職金制度がある事業所で、一定期間以上働いている人がもらえる制度です。受け取り方法には、60歳定年時に一時金で受け取る・定年退職時から10年~15年間など期間に分けて企業年金として受け取るなど、勤務先の事業所によって支給ルールが異なります。
(2)高年齢雇用継続給付
雇用保険の被保険者期間が5年以上あり、60歳定年時点と比べて再雇用後の賃金が75%未満に減ってしまった場合に適用され、給付金が支払われます。もらえる期間は、60歳になった月から65歳になる月までとなります。
(3)失業給付(基本手当)
定年退職後や、再雇用の退職後に求職活動をしている人が受け取れる給付金です。退職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あり、認定対象期間内に原則2回以上求職活動(採用試験受験など)をしていることが必要です。
それぞれの制度のメリット・デメリットは?
それぞれの制度のメリット・デメリットを見てみましょう。
(1)退職金
メリット:一時金形式で受け取ると「退職所得控除」で税金を大きく減額でできる
デメリット:年金形式で受け取ると「公的年金等控除」の適用となるが、一時金で受け取るより税金減額が低くなる可能性もある
(2)高年齢雇用継続給付
メリット:継続雇用後の賃金が60歳到達時点の61%以下の場合は、60歳以降の賃金額の15%が受給できる
例:60歳到達時の賃金月額45万円だった人が、再雇用で賃金月額26万円に下がった場合、約58%に低下したので、継続雇用給付額は26万円×15%=3万9000円
デメリット:給付金には支給上限額があり、新しい賃金の金額が支給上限額36万4595円以上の場合は支給されない
(3)失業給付(基本手当)
メリット:失業した人が再就職するまでの生活資金として受け取れ、定年退職の場合は最長で150日間受給できる
デメリット:受給できる期間には制限があり、退職日の翌日から1年間で、その期間を過ぎると給付日数が残っていても失業給付を受け取れない
まとめ
本記事で紹介した3つの制度は、対象となる人や期間などがそれぞれ異なります。自分が対象になる制度の内容を理解しておくことで、お金をもらい損ねることを防げます。定年を迎える前に、老後はどのように生活するか、働き続ける場合はどのように働くか、検討しておくのもよいでしょう。
出典
国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~
厚生労働省 令和4年8月1日から支給限度額が変更になります。 皆さまへの給付額が変わる場合があります。
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 雇用継続給付
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス よくあるご質問(雇用保険について)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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