更新日: 2023.05.31 セカンドライフ

50代男性、賃貸で1人暮らし。「持ち家」を購入しないと将来的にまずいですか?

執筆者 : 御手洗康之

50代男性、賃貸で1人暮らし。「持ち家」を購入しないと将来的にまずいですか?
性別にかかわらず、年々未婚の人の割合は増えてきています。シングルの場合、今は会社に勤めていて賃貸住宅に住んでいても、老後も今と同じ家賃で暮らしていけるのか、引っ越すとしても、老後に安い賃貸住宅に引っ越せるのかと不安になる人が多いようです。
 
それでは「おひとりさま」の場合、持ち家を購入すべきなのでしょうか。本記事では、持ち家を購入すべきかどうか、持ち家を購入する際にはどのようなことに気を付けるべきかのポイントを解説します。

持ち家は購入すべき?

結論からいえば、経済的な余裕がある場合は、持ち家の購入が老後の生活の安心にもつながるため、おすすめできる選択といえます。
 
実際に単身の高齢者が賃貸住宅へ引っ越すのは、難しいこともあるというのが現実です。家賃を滞納する場合や、体調の悪化によりそのまま亡くなってしまう場合など、貸主側がリスクを控えるため、審査が厳しくなる傾向があるからです。
 
ただし、持ち家を購入する際には慎重に検討しなければなりません。後悔しないためにも、住宅購入の際には次のポイントに注意しましょう。
 

ローン返済は公的年金に頼らないのがポイント

特に年齢を重ねてから住宅購入をする際には、図表1のようなポイントをチェックしておく必要があります。
 
図表1


公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査を基に筆者作成
 
年齢を重ねるにつれて、病気による入院や、施設への入居などにより医療費が増えるリスクは高くなります。そのため、自由に使えるお金を残しておくことが重要です。
 
また、老後にローン返済から追われることを避けるためにも、将来のローン返済に耐えられるか、長期間働き続けられるのか、など事前によく検討しておきましょう。65歳以上になっても働き続け、公的年金の繰下げ受給を行うといった対策ができれば、老後の生活の安定につながります。
 
このように、持ち家を購入する場合でも、生活に無理がない範囲で購入できるかを検討することが重要です。
 

老後の生活を考えて早めに検討を始めよう

老後は医療費が増える傾向にあります。病気やけがだけでなく、介護が必要になったり、認知症になったりする場合も考慮しなければなりません。また、自身が亡くなった場合にも備えておく必要があります。
 
総務省の家計調査によると、単身者で無職世帯の生活費はおよそ14万円です。住居費を引くと約13万円となっています。
 
生活保険文化センターによれば、夫婦2人で老後生活を送るには最低でも月額約23万円の生活費が必要だと考える人が多いようです。単身者の場合は2人世帯よりも生活費は少なくなると考えられますが、それでも15万~20万円程度は必要になるでしょう。
 
このような将来の生活費を考慮して、これからの住まい選びを決める必要があります。単身の高齢者は、賃貸住宅への引っ越しは難しいと述べましたが、無理ではありません。
 
高齢者専用の賃貸住宅やシニア向けの物件、保証人不要の物件などを選べば高齢者でも賃貸物件を借りやすくなります。持ち家を購入する場合でも、賃貸住宅に引っ越す場合でも、早い段階から検討し、準備を行うことが重要です。
 

出典

厚生労働省 令和2年版 厚生労働白書 図表1-1-8 年齢階級別未婚率の推移
総務省 家計調査/家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 1 1世帯当たり1か月間の収入と支出(2022年度)
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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