更新日: 2023.06.02 その他老後

高齢者の1人暮らしなら「月14万5000円」が普通なの? 支出の内訳は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

高齢者の1人暮らしなら「月14万5000円」が普通なの? 支出の内訳は?
定年退職が近づいてくると、老後の生活に不安を感じる人もいるでしょう。単身者の場合、1人分の年金で生活費をまかなわなければなりません。年金で足りない部分は、預金や他の収入で補てんする必要が出てきます。老後の生活にいくらあれば足りるのか、事前に把握しておければ安心です。
 
本記事では、高齢者の1人暮らしの一般的な生活費とその内訳を紹介していきます。
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高齢者の1人暮らしの消費支出は?

総務省統計局がまとめた「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) II総世帯及び単身世帯の家計収支」によれば、65歳以上の単身世帯の平均的な消費支出は、1ヶ月あたり13万2476円です。これは、無職世帯の場合で、年金受給だけで生活する高齢者が対象になっています。
 
なお、この金額のほかで非消費支出の平均は月1万2271円です。非消費支出とは、社会保険料や税金、借金利子など、世帯で自由に使うことができない支出をいいます。消費支出と非消費支出を合算すると14万4747円です。つまり、高齢者で1人暮らし世帯の1ヶ月あたりの支出額は、平均で約14万5000円ということになります。
 

1人暮らしの消費支出の内訳は?

家計調査年報(家計収支編)では、消費支出の内訳も調査されています。13万2476円のうち食費は27.4%(約3万6298円)、住居費は9.9%(約1万3115円)、水道・光熱費は9.5%(約1万2585円)、保健医療費は6.4%(約8478円)、交通・通信費は9.2%(約1万2187円)、教養娯楽費は9.5%(約1万2585円)です。
 
割合の少ないものでは、家具・家事用品の購入費が3.8%(約5034円)、被服及び履物の購入費が2.2%(約2914円)となっています。その他の消費支出は22%(約2万9144円)で、そのうち交際費は11.6%(約1万5367円)です。
 
住居費については、持ち家と賃貸を分けて調査したデータはありません。持ち家なら、固定資産税やリフォームなどの修繕・維持費を月平均で出したものと考えることができます。しかし、賃貸の場合は家賃などがかかりますので、実際にはこれより高くなる人がほとんどでしょう。
 

年金だけでは十分ではない

同調査によると、単身者が受け取れる社会保障給付(年金)の平均は月12万470円です。消費支出の1ヶ月あたりの平均である14万4747円には、2万4277円不足する計算になります。不足分については、何らかで補てんしなければなりません。今回参考にしたデータは無職世帯なので預金からの補てんと考えるのが妥当ですが、年間にすると29万円ほど必要です。
 
平均よりも生活水準を上げるなら、さらに補てんする必要が出てきます。その分預金しておく方法や、定年退職後も働く方法などが考えられます。働きながらでも、年金を受給することはできます。収入によっては年金の一部または全額が停止されますが、令和5年度の支給停止調整額は月48万円です。
 
老齢厚生年金と給与の合計が、この額を超えなければいいので、毎月数万円程度の収入なら心配はいらないでしょう。
 

1人暮らしの老後の生活費は月14万5000円程度必要

家計調査年報から、1人暮らしの場合、老後の生活費として月14万5000円はかかることが分かりました。ただし、この金額はあくまで平均です。住まいが持ち家か賃貸かでも違いますし、生活スタイルでも出費は変わってきます。
 
また、実際に自分が受け取れる年金額も把握しておく必要があります。本記事で紹介した内訳と自分の条件を照らし合わせ、不足が出るかどうかを事前に確認して、老後の生活費を準備しておくとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年) II総世帯及び単身世帯の家計収支
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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