更新日: 2023.06.05 その他老後
老後の生活費は「特別支出」の把握と早期確保がキモ。主な項目と必要なお金の目安
そこで収入と支出のバランスを考えると、どうしても支出を削減する努力は避けられないでしょう。そのなかでも、特別支出とよばれる支出は要注意です。
そこで本記事では、老後の生活費における特別支出について解説していきます。特別支出の把握と確保に向けた取り組みについて紹介していきます。関連して、老後の生活費の目安についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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特別支出とは? 見える化によって赤字リスクを軽減しよう
特別支出とは、特別費ともよばれる支出のことです。定期的に一定額を支払うのではなく、不定期または突発的に発生する大きな支出を特別支出とよびます。具体的には、次のような支出が特別支出にあたります。
・冠婚葬祭費
・交際費(家族の誕生日プレゼントや旅行費用など)
・家具や家電の買い替え費用
・突発的な住宅の修繕費
・自動車関連費(修理代や車検費用など)
・固定資産税など税金関係
想定できる特別支出は早めに対策をして赤字を防ごう
特別支出のなかでも、全てが予測できず対策が取れないわけではありません。
例えば、自動車の車検費用は、あと何年後に支出があるか事前に分かります。固定資産税に関しては3年ごとに評価替えがあるものの、増築や改築など行わないかぎりは毎年ほとんど納付額の変更はありません。そのため、車検代や固定資産税など毎年払う税金に関しては、予測が立つことから事前の備えができます。
一方、冠婚葬祭や家具家電の買い替え、住宅修繕などはどうしても予測が立たないものです。そのため、あらかじめ家計のなかから「緊急予備資金」として特別支出に対応できるような費目を設け、預貯金をしておくことがポイントです。
老後の消費支出は夫婦世帯で月平均約24万円
総務省の2022年家計調査報告によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の消費支出の平均月額は約24万円という結果でした。65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)では、月約12万円が平均でした。
特別支出の平均額を目安に少しずつ預貯金を始めよう
総務省家計調査報告では「その他の消費支出」に該当する諸雑費、交際費、仕送り金の平均額が紹介されています。支出の性質から、特別支出とほぼ同様と考えられるため同調査報告の平均額を以下に紹介します。
・65歳以上の夫婦無職世帯 月4万9430円(消費支出における構成比・約21%)
・65歳以上の単身無職世帯 月3万1872円(消費支出における構成比・約22%)
この調査結果から、月換算で家計全体の支出の2割程度が特別支出として支払われていることが分かります。特別支出は突発的で予測できない出費が多いとはいえ、家計のうちの大きなウエイトを占める支出であることから、把握できる分はあらかじめ資金を確保しておくなどの備えが必要です。
行き当たりばったりで特別支出に対応する状況では、食費や各種支払いなど他の支出に影響を与えることになるでしょう。結果として、家計全体が赤字化する恐れもあります。これを避けるには、なるべく早期の資金対策が必要です。できる範囲で家計改善を行い、必要なときに必要なお金が捻出できるように備えておきましょう。
まとめ
特別支出とは、不定期に発生する比較的大きな支出のことです。冠婚葬祭費のように突発的に発生する費用や、車検費用のように一定の周期で発生する支出もあります。
具体的な金額までは分からないにしても、少なくとも一定周期で発生する特別支出に関しては早めに資金を確保し備えておきましょう。一方、全く予測がつかない家電の買い替えなどにも対応できるように、日頃から家計改善や節約を意識し、少しでも予備資金の備えをしておくことがポイントです。
本記事で紹介した老後生活の支出に関する平均額も参考に、早い段階から老後資金の確保を始めましょう。
出典
総務省 家計調査報告(家計収支編) 2022年(令和4年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー