更新日: 2023.06.12 介護

「長生きの時代」老後の介護費用はいくらかかる?平均費用と対策を紹介

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「長生きの時代」老後の介護費用はいくらかかる?平均費用と対策を紹介
老後の生活で気になるもののうち、必要な生活費以外にも、介護費用が思い浮かぶのではないでしょうか。老後の介護費用はどの程度かかるのか、年金だけでカバーできるのかなどについて知っておけば、前もって準備しておくことも可能になります。
 
老後に利用できる、国の制度についても紹介しますので、ぜひ、チェックしてみてください。
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介護費用は1ヶ月でどのくらい必要か

生命保険文化センターの調査によると、介護費用の平均は、1ヶ月あたり約8万円と、比較的高額です。厚生年金を受け取っていたとしても、ある程度の貯金がなければ、手痛い出費となります。
 
老後に向けての貯金は、生活費以外にも、こうした介護費用を考慮しておかないと、将来的に負担が大きくなって、苦しい生活になってしまいます。
 
1ヶ月あたりの介護費用に加えて、トータルでどの程度の金額を準備しておく必要があるのか、しっかり把握しておきましょう。
 

介護費用の平均は月8万円程度

介護費用には、住宅を改造や専用ベッドの導入といった一時的な費用と、月々にかかる費用の2種類があります。生命保険文化センターの2021(令和3)年度 「生命保険に関する全国実態調査」では、一時的な費用の合計金額は約74万円で、毎月に必要な介護費用の平均は8万円程度という結果でした。
 
月額の8万円というのは、介護保険サービスを利用したうえでの負担金です。介護保険制度があるからといって、安心していられないことが分かります。
 

介護期間の平均は約5年1ヶ月

月々にかかる介護費用が何年続くのか、期間についても把握しておかなければ、備えることはできません。
 
同じく、「生命保険に関する全国実態調査」では、介護期間の平均は5年1ヶ月程度となっています。月々8万円を5年以上続けるとなると、約500万円が必要な計算となり、かなり大きな負担になります。
 
この実態をふまえて、年金以外にも、自分が収入を得る方法を確保したり、働けるうちから手堅く貯金をしたりして、準備をしておくことが重要といえます。
 

少しでも負担を軽減させるためにできる方法とは?

毎月必要な介護費用とされている8万円は、介護保険を利用したうえで、かかってくる金額です。そのため、介護が必要だと感じたら、早めに申請して、保険を適用させることが重要です。また、自身が加入している介護保険が何に適用できるのかについても、事前にしっかりと把握しておきましょう。
 
当然ですが、生活必需品や交通費などは、介護保険適用の対象外となりますので、貯金をする際は、こうした金額も加味して、準備する必要があります。
 

介護が必要になったら早めに申請する

介護保険は、自分が住んでいる市区町村の窓口での申請が必要になりますので、少しでも体に違和感が出てきたら、早めに申請をしましょう。この時点で、聞き取り調査などが行われ、どのような介護が必要なのかを判断してもらえますので、自己判断で手遅れになるという事態も防げます。
 
申請が通れば、利用上限まで、介護サービスの利用負担金額が1割にまで軽減される可能性がありますが、申請をしていなければ、全額支払うことになりえますので、非常に高額な負担となってしまいます。在宅介護であっても、保険が適用されていないと、高額に変わりはありませんので、早めの行動を意識しましょう。
 

介護保険を利用できるのは?

介護保険が適用されるのは、基本的には、施設やサービスの利用料金です。そのほかの食費や介護のための交通費や、日常に必要な生活費は別にかかりますので、その分の資金は、自分で用意しておく必要があります。
 
介護保険が利用できるのは、介護のための施設やサービスだけと覚えておくと、必要な費用の計算もしやすくなります。
 

介護費用も考慮して貯金をする

老後の備えは、生活費だけではなく、介護が必要になったときの費用も、考えておく必要があります。貯金をするにしても、資産運用をするにしても、月に平均8万円の出費が最低5年続くという可能性を考慮して、貯金の目標金額を決めておくとよいでしょう。
 
老後を見据え、早い段階から、しっかり準備を進めておきましょう。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター 生命保険に関する全国実態調査 2021(令和3)年度 「生命保険に関する全国実態調査」 速報版
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 

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