更新日: 2023.06.12 セカンドライフ
終活とは? どんなことをするの?
「自分が何とかしなければ」ということはわかっていても、どうすればよいか、具体的にどんなことをすべきか、ということについて考えてみたいと思います。
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
見て見ぬふりはできないお墓の管理
お墓の管理といえば、かつては必ず面倒をみてくれる親族がいることが多かったですが、最近の非婚化・少子化が進み、「子どもに守ってもらう」ことが難しくなってきたケースが増えています。子どもがいても、お墓が田舎にあって経済的にも物理的にも面倒をみる余裕がないというご相談もあります。
また、管理する者も高齢化が進みやがては亡くなった場合、何もしなければ「無縁墓」になる可能性もあります。
明らかにそんな将来が分かっているならば、どのような方法があるのか知っておくのもよいでしょう。
1. 納骨堂
納骨堂は、各地域の比較的アクセスが便利な建物の中にあります。墓地・墓石の購入、墓守などの手間がかかりません。全天候型なので好きなときにお参りすることができ、草むしりなどの手入れも不要です。
利用期間満了後は、遺骨を合祀墓へ移して、永代供養をしてくれるので無縁仏の心配はありません。納骨の方法も、位牌型、ロッカー型、自動搬送型などさまざまなタイプがありますので、自分の嗜好(しこう)や予算に合わせて検討されるとよいでしょう。
2. お墓そのものを必要としない方法
樹木葬や散骨など、お墓そのものがない供養もあります。樹木葬はお寺の境内で、規定された人数まで、家族・友人など間柄を問わずに一緒に埋葬してもらえます。ある一定の期間は、定期的な法要をしてもらえ、それ以降は合祀になるというところが一般的です。
海洋散骨は、あらかじめ決められた日時に乗船、あるいは乗船なしで散骨する供養です。個人の希望や予算によって合同、家族や委託などさまざまなタイプがあります。また、自分が亡くなったあとのことを今から決めておきたい場合には、あらかじめ信託契約を交わしておくこともできます。
3. 検体登録
大学病院などで、自分の遺体を医学のために役立ててもらう方法です。あらかじめ住所地にある医科大学(大学医学部)などに問い合わせて、手続方法を確認します。
献体登録の注意点は、実際にこれを実行できるのは肉親などの遺族だということです。家族の反対があれば実行できなくなりますから、前もって意思を伝えて同意を得ておく必要があります。親族がいない場合には、大学などに問い合わせましょう。
登録を済ませた申込書を遺族・自分ともに保管しておき、その時が来たら記載の大学等に連絡します。葬儀は行いたいという場合は、葬儀後に火葬場ではなく、大学へ移送されます。
遺体移送費と火葬費は、大学で負担してもらえます。大学の実習のタイミング等により、火葬までにかなりの日数がかかることは注意しておきたいところです。
4. 住所地の行政支援を確認
ひとり暮らしの高齢者のみまもりや終活支援など、「終活コンシェルジェ」サービスを展開している自治体も見られます。住所地の役所でこのようなサービスがあれば、概要を確認する、登録が必要ならば登録しておくといった手続きをしておくとより安心でしょう。
ご自身の状況や予算に合わせて、お墓をどうするのか検討してみましょう。
出典
厚生労働省 「身寄り」のない生活困窮者及び若者に対する支援事例に関する調査研究事業
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者