更新日: 2023.06.15 セカンドライフ

高齢者世帯の50.4%が「生活が苦しい」と回答。年金だけでは生活できない?

高齢者世帯の50.4%が「生活が苦しい」と回答。年金だけでは生活できない?
生活水準は、家庭や人ごとに異なります。若いときであれば生活水準が低くても、将来に向けた一過程であると受け入れられるでしょう。しかし、高齢者の生活水準が低い状態はネガティブな感情も強くなりやすく、現実的にも大きな負担となる可能性があります。
 
とはいえ、現状から目を背けることはできません。本記事では、高齢者世帯の生活意識や暮らし向きの現状を、統計やアンケート調査などをもとにまとめます。
FINANCIAL FIELD編集部

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高齢者世帯の生活意識や暮らし向き

まず、いくつかの調査をもとに、高齢者世帯の生活意識や暮らし向きをみていきましょう。
 

・半数以上が苦しいと回答

厚生労働省の「国民生活基礎調査」の概況では、高齢者の生活意識についてまとめられています。
 
2021年の調査概況によると、高齢者世帯のうち、現在の生活に対して「大変苦しい」と回答した世帯は21.3%でした。「やや苦しい」と回答した世帯は29.1%です。合計すると50.4%となり、高齢者世帯の半数以上が「苦しい」と回答したことになります。
 
ちなみに、2019年の調査と比較すると、「やや苦しい」と回答した世帯は2.8ポイント減ったものの、「大変苦しい」と回答した世帯は1.6ポイント増加しています。高齢者世帯でも格差が広がっている現状があるといえるでしょう。
 

・中の下以下と回答した人も半数近く

つづいて、株式会社クロス・マーケティング(東京都新宿区)が2022年11月に実施した、「生活に関する調査(2022年)」(調査対象:18~79歳の男女1万2名)をみてみましょう。
 
同調査では、「現在の暮らし向き」を上・中・下の3段階に分け、各段階をさらに上・中・下と分類し、全部で9段階のなかから回答してもらう方式となっています。60代のうち、現在の暮らし向きを主観的に評価した場合、「中の下」もしくは「下の上~下の下」の4段階のいずれかと回答した人は、47%という結果でした。70代に関しては、44%という結果となっています。
 
「中の下」もしくは「下の上~下の下」と回答した人は、生活が苦しい状況であると捉えても問題ないでしょう。つまり、60〜70代の暮らし向きは決して良好ではなく、むしろ苦しいと感じている人が半数近くにのぼるといえます。
 

高齢者世帯の所得はいくら?

生活が苦しくなってしまうかどうかは、所得の影響が小さくありません。ここでは、厚生労働省の「国民生活基礎調査」の概況をもとに、高齢者世帯の所得をみていきましょう。
 

・高齢者世帯の総所得

同調査では、所得の種別の一つを「公的年金・恩給」としてデータが公表されています。実際に高齢者世帯の受け取る年金額とは若干差が生じる可能性がありますが、参考としてみていきます。
 
2021年の同調査結果によると、高齢者世帯の1世帯あたりの平均所得金額は332万9000円でした。そのうち、公的年金・恩給は207万4000円となっています。総所得は公的年金・恩給を大きく上回っているにもかかわらず、生活を苦しいと感じている高齢者世帯が半数ある状況です。
 
こうした調査結果から、やはり、年金だけでは生活が難しいといえるでしょう。
 

・公的年金・恩給が総所得に占める割合

同調査結果によると、公的年金・恩給を受け取っている高齢者世帯のうち、公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯は24.9%となっています。つまり、高齢者世帯の4分の1ほどが、年金のみで生活していることになります。非常に困窮している高齢者世帯が決して少なくはない現状がみえてくるでしょう。
 
現在の年金制度がこのまま維持されるとも限りません。年金の受給額が減る可能性なども考慮し、生活と向き合っていく必要もありそうです。
 

高齢者世帯の約半数は生活が苦しいと感じ、年金のみでの生活は困難な現状

いくつかの調査から、高齢者世帯の約半数が苦しい生活を強いられている現状がみてとれます。高齢者世帯の4分の1ほどが、年金だけで生活しているというデータもありますが、そのなかで生活が楽であると感じている世帯はほとんどないでしょう。
 
年金制度に関しては、ネガティブな意見も出てきています。これから高齢者へと突入する人も含め、生活の見直しや資産の構築・防衛などへと意識を向けていく必要がありそうです。
 

出典

厚生労働省 2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況
株式会社クロス・マーケティング 生活に関する調査(2022年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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