更新日: 2023.08.04 介護

民間の「介護予防サービス」って? サービス例についても解説

民間の「介護予防サービス」って? サービス例についても解説
日本は、いま高齢化社会のピークを迎えつつあると言えます。高齢化社会を支える制度として、その中核を担っているのが介護保険制度です。
 
一方で、介護保険を利用しなくても済むように「介護予防」という考え方が広まりつつあります。今回は、民間の介護予防のための高齢者向け生活支援サービスについて学んでみましょう。
植田英三郎

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

介護予防のための生活支援サービス

厚生労働省が2000年代初めから主導してきた地域包括ケアシステムのなかで、「介護予防のための生活支援サービス」は、介護保険制度と両輪の役割を担うしくみです。
 
このしくみを担う主体は、民間企業やNPO、社会福祉法人、ボランティアと幅広い団体や個人になっています。提供されるサービス内容は、図表1のように介護者支援や外出支援、権利擁護、移動販売まで多岐にわたります。
 
図表1
 

                          
厚生労働省老健局振興課 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方
 
運営に要するコストは、自治体の負担や助成とサービス利用者の負担によりまかなわれています。
 
一方で、介護施設や自治体などが運営するサービスとは別の、純民間企業での介護予防サービスを選ぶ人も多いようです。ここでは民間企業の介護予防サービスを見てみましょう。
 

【PR】日本財託グループセミナー

【PR】日本財託セミナー

民間企業の介護予防サービス

民間企業の介護予防サービスの特長は、以下の通りです。
 

●楽しみながら生活の質を高められるよう工夫されている
●介護認定が不要である
●専門家によるサービス提供を受けることも可能
●全額自己負担であるため自由度が高い

 
このような形の介護予防は、老後資金にある程度の余裕がある場合に限定される可能性もありますが、楽しく介護予防ができるという点において、相応のメリットがあるのではないでしょうか。
 
それでは、具体的なサービス内容について見てみましょう。
 

民間企業の介護予防サービス例

介護予防サービスはさまざまありますが、ここでは4つの例を見てみましょう。
 

スポーツジム運営会社の高齢者向け運動スクール

自治体の施設などでも、スポーツジム運営会社が運営しているケースは多いのですが、独自運営することによって、より利用者目線でのサービスを提供できると思われます。
 
独自の高齢者ライセンス(高齢者健康づくり指導員)を保有する指導員による「運動機能向上」や「栄養改善」、「口腔機能向上」などを行っています。費用は、初回登録費用6600円、月会費6000円程度となっています。
 

シニア向けカルチャースクール

シニア向けカルチャースクールは、駅周辺などの便利な立地で、これまで多数の受講者を集めて来ましたが、時代の変化の中で陰りが見られます。
 
そのような状況の中で、介護予防の一環として高齢者施設内や施設と提携したカルチャースクールが導入されています。
 
絵画や絵手紙、ペン習字、脳トレ教室、歴史の勉強など、さまざまなコースがあります。費用は、月会費500円程度のほかに講座によって1500円~3000円となっていますが、すべての講座へ参加できる8000円程度の特別コースもあるようです。
 

家事代行や外出付き添い

民間の家事代行会社は20社以上と多数あり、幅広い家事を代行しています。高齢者向けの家事代行のメニューは掃除代行や片付け、シニアお手伝い、長期留守宅管理、入退院中のサービス、高齢者のケアサービスなどさまざまあります。
 
費用も会社とサービス内容によって、1時間当たり1700円~6000円程度まで差があります。
 

高齢者向け宅食サービス

高齢者向け宅食サービスとは、自宅に定期的に、栄養面を考慮した食事が配送されるものです。高齢者施設の食事用として利用される配食サービスとは区別されています。
 
地域ごとに事業者もおり大小さまざまですが、全国的には30社程度あり、知名度の高い会社もあります。
 
1食当たりの費用も400円台からありますが、大手飲食店が経営する「宅食サービス」の場合600~700円程度になっています(2023年7月時点)。
 
このような民間の介護予防サービスは、各社のパンフレットなどのほか、インターネット上でも内容が紹介されていますので、参考にしてみてください。
 

まとめ

民間の介護予防サービスについて見てきました。これは、自治体が制度として提供する介護予防サービスに加え、民間企業ならではのサービスもあるという例です。それぞれの方に合った介護予防サービスについて、考えてみるのはいかがでしょうか。
 

出典

厚生労働省老健局振興課 介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方

 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

ライターさん募集